
Windows 11でゲームを楽しもうとすると、画面がカクカクしてストレスを感じた…そんな経験はないだろうか。
この問題は多くのゲーマーを悩ませる。本記事では、Windows 11環境下でゲームのスムーズな動作を妨げる要因を探り解決策を提示する。
ゲーム体験を向上させたいプレイヤーに向けて、原因の特定から具体的な改善方法まで、段階的に解説していく。
Windows 11全体の動作が不安定な場合、ゲームだけでなくシステム全体のパフォーマンス低下が影響している可能性がある。詳しい原因と基本的な改善方法については、Windows 11の動作が遅い?原因と解決策はもあわせて確認してほしい。
Windows 11でゲームがカクつく主な原因
ゲームのカクつきは、様々な要因が絡み合って発生する。
ハードウェアの互換性
古いGPUやCPUはWindows 11や最新ゲームの要求する機能や最適化に追いつかない場合がある。とくにDirectXの機能レベルやドライバーの対応状況が不足していると描画性能が制限され、カクつきが発生しやすい。
DirectX(特にDirect3D/DirectX 12)との不整合
DirectX 12は高効率な描画と低オーバーヘッドを目指したAPIであるが、GPUが対応する「機能レベル」を満たしていないと本来の性能を引き出せない。結果として古いGPUではフレーム落ちや遅延が起きる。
DirectX 12は、Microsoftが開発したグラフィックスAPIで、ゲームや3Dアプリケーションの高性能な描画を可能にする技術だ。コンピューターのハードウェア、グラフィックス処理装置の能力を最大限に引き出すために設計された。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Microsoft_DirectX
Windows 10以降のOSで利用可能だが、GPUも対応している必要がある。最新のグラフィックカードのほとんどがDirectX 12に対応しているが、古い機種では利用できないことがある。
グラフィックドライバーの不具合または不適切なバージョン
古いドライバーは新作ゲームに最適化されておらず、逆に不具合のある最新版ドライバーも全体の滑らかさを損なうことがある。ドライバーの更新・ロールバックやクリーン再インストールが有効なことが多い。
Windowsの機能(VBS 等)や設定によるオーバーヘッド
Windows 11でデフォルト有効化されている仮想化ベースのセキュリティ(VBS)は、ハイパーバイザを介することでセキュリティは強化されるが、ゲームのパフォーマンスに影響を与え得るとの報告がある。クリーンインストール時の既定設定により同一機材でも性能差が出る事例が確認されている。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-hardware/design/device-experiences/oem-vbs
ハードウェアアクセラレーションやGPUスケジューリングなどのシステム設定
ハードウェアアクセラレーションや「Hardware-Accelerated GPU Scheduling」などの機能は、一部環境でスタッター(断続的なカクつき)を引き起こす報告がある。これら設定のオンオフで挙動が改善するケースがある。
特にGPUドライバーが古い、または正常に更新されていない場合、フレームレート低下やカクつきの原因になる。ドライバー更新による具体的な改善手順は、Windows 11をドライバー更新で性能アップで詳しく解説している。
バックグラウンドプロセスとリソース競合
最後に、バックグラウンドプロセスの影響が挙げられる。Windows 11は多くのプロセスを裏で動かしており、これらがCPUやメモリを消費する。
自動更新、リアルタイムウイルススキャン、ストリーミングソフト、ブラウザ等がCPU・メモリ・ディスクI/Oを消費するとフレーム生成の余裕が減り、カクつきやラグが発生する。タスクマネージャーでの監視と不要プロセスの停止が有効である。
メモリ不足は、ゲーム中のスタッターやフレーム落ちを
引き起こしやすい要因である。メモリ使用量を最適化する具体的な方法については、サクサク動作を取り戻せ!Windows 11メモリ対策も参考になる。
これらの要因は単独、または複合的に作用してゲームのカクつきを引き起こす。「ハード(GPU ・CPU機能レベル)」「ドライバー」「OS機能と設定」「バックグラウンド負荷」の四つが主要因であり、これらを切り分けて検証するのが有効である。
次のセクションでは、これらの問題を診断し、解決するための具体的な方法を詳しく解説していく。
カクつきの診断方法
ゲームのカクつきを解消するには、まず問題の原因を特定する必要がある。
原因を特定せずに対処を試みると無駄な作業や誤った結論に至りやすい。シンプルに言えば、「どのリソース(CPU/GPU/メモリ/ディスク/ネットワーク)がボトルネックになっているか」を突き止めることが最優先である。
パフォーマンスモニタリングツールを活用すると、システムの動作状況を詳細に把握できる。Windows 11に標準搭載のタスクマネージャーでCPU、メモリ、GPU使用率を確認しよう。高負荷状態が続く部分があれば、そこに問題がある可能性が高い。
パフォーマンスの把握にはモニタリングツールを使う。まずWindows 11標準のタスクマネージャーでCPU・メモリ・GPUの使用率やディスクI/Oを確認し、高負荷が持続する箇所を探す。
次に、Xbox(Windows)Game BarやMSI Afterburnerのようなオーバーレイでゲーム中のFPSや各種利用率をリアルタイム表示させれば、どの処理がフレーム生成を妨げているかを直接観察できる。特にGame Barは標準でFPS表示を出せるため手早い初期確認に便利である。
フレームレート
ゲームの滑らかさを左右する重要な指標がフレームレートだ。1秒間に表示される静止画(フレーム)の数を表す単位。一般的にFPS(Frames Per Second)と略される。数値が高いほど動きが滑らかに見える。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88
一方で「モニターのリフレッシュレート」「入力遅延」「フレーム生成が実際にレンダリングされたか(フレーム生成技術で補われたか)」なども体感の滑らかさに影響するため、FPSだけで全てを判断してはならない。最近はSteamなどが生成フレームと実レンダーフレームを分けて表示する機能を搭載し、詳細な解析が可能になっている。
数値と体感
| 30 FPS | 多くのテレビ番組や映画で使用される標準的な値で。動きは認識できるが、滑らかさに欠ける。 |
|---|---|
| 60 FPS | ゲームでよく目標とされる値。非常に滑らかな動きを実現し、多くのプレイヤーにとって快適なプレイ体験を提供する。 |
| 144 FPS以上 | 高性能なゲーミングモニターで体験できる超高速表示。極めて滑らかで、反応速度を要する競技ゲームなどで重宝される。 |
高フレームレートでは入力遅延が減少し、操作精度が向上する。これはフレーム生成間隔が短くなるほど画面更新が早まり、入力情報が描画に反映されるまでの時間が縮まるためだ。
また、映像の滑らかさが増すことで視覚的負担が軽減され、長時間プレイ時の眼精疲労を抑えられる。高FPSは動きの追従性も向上させ、ゲーム世界への没入感を強める。
多くのゲームには内蔵のFPS表示機能があり、基本的な確認にはこれで十分である。さらに詳細を把握したい場合は、MSI Afterburnerのようなオーバーレイツールを使うと、フレーム時間(frametime)やCPU/GPU負荷をリアルタイムで確認できる。一般的には60FPSを下回ると動きが途切れる感覚が生じやすく、アクション性の高いタイトルでは顕著である。
問題の切り分けには設定変更を段階的に行う方法が有効である。まず影・反射・ポストプロセスなど、GPU負荷の高い設定を下げ、フレームレートの変化を確認する。それでも改善が見られない場合、CPU負荷やストレージ読み込みの遅延など、ハードウェア側に問題がある可能性が高い。
一方、設定を下げたことでカクつきが解消されるなら、問題はソフトウェア側の最適化不足であると見てよい。また、ある特定のゲームだけで発生するのか、複数のタイトルで共通して起きるのかを確認することで、ゲーム側の問題とシステム全体の問題を区別できる。
ハードウェア関連の解決策
ゲームのカクつきがハードウェアに起因する場合、部品のアップグレードが最も効果的である。
まず優先すべきはグラフィックカードの更新である。最新世代のGPUは描画処理能力が高く、DirectX 12を前提とした最適化が施されているため、CPU側への負荷も軽減される。
中級モデルであるNVIDIA GeForce RTX 3060やAMD Radeon RX 6600クラスでも、多くのタイトルで安定したフレームレートを維持できる。これらはハードウェアアクセラレーションやレイトレーシングにも対応し、総合的な描画処理能力の底上げにつながる。
RAMの増設
RAM(メモリ)の増設も有効な改善策である。Windows 11は最低4GBを要求するが、実際にはゲームとバックグラウンド処理が同時に稼働するため、16GB以上が推奨される。
RAMが不足するとシステムがページファイルに依存し、SSDやHDDとのデータスワップが発生して処理遅延を引き起こす。増設は比較的低コストで、体感改善が得られやすい。
また、Windows 11のDirectStorageは高速SSDの帯域を活かし、ゲームデータの読み込み速度を大幅に改善する技術である。特にNVMe SSDではロード時間短縮やストリーミングデータの安定化が期待できる。
ただし、DirectStorageは主にデータ読み込み最適化が中心であり、グラフィックカードやRAMの更新ほど直接的にフレームレートを向上させるものではない。
ソフトウェア設定の最適化
Windows 11でゲームのカクつきを解消するには、ソフトウェア設定の最適化が欠かせない。まずグラフィック設定の調整から行うべきである。
Windows設定の「システム」→「ディスプレイ」→「グラフィック」で対象ゲームアプリを選び、「高パフォーマンス」を指定する。この設定はアプリを統合GPUではなく専用GPUで動作させるため、グラフィック性能を確実に引き出せる。
次にゲームモードの有効化である。設定アプリの「ゲーム」→「ゲームモード」をオンにすると、Windowsはバックグラウンド処理を抑制し、リソースをゲームへ優先的に割り当てる。ゲームモードはCPUスケジューリングを最適化するため、フレームレートの安定化に寄与する。
電源プランの最適化も重要である。コントロールパネルの「電源オプション」から「高パフォーマンス」プランを選択すると、CPUのクロック制御が積極的になり、GPUが電力制限を受けにくくなる。省電力設定のままでは性能が十分に発揮できず、カクつきの原因になり得る。
不要なバックグラウンドプロセスの停止も有効だ。タスクマネージャーの「スタートアップ」で不要アプリを無効化し、バックグラウンドで動作するサービスやアプリを最小限に抑える。これでCPU・メモリ・ディスクI/Oの無駄な消費を防げる。
これらの設定でシステムリソースを効率的に解放し、ゲームに割ける処理能力を最大化できる。
ドライバーの更新と最適化
ドライバーの更新は、ゲームのカクつきを解消する上で極めて重要だ。ドライバーはハードウェアとOS・ゲーム間の制御層であり、最新バージョンでは最適化や不具合修正が提供されるため、更新の有無がゲーム性能に直結する。
グラフィックドライバーの更新
まず最優先はグラフィックドライバーの更新である。NVIDIAであればGeForce Experience、AMDであればAdrenalin Software、IntelであればArc Controlを利用すれば最新ドライバーを取得できる。
新作ゲームや大型アップデートに合わせてGPUメーカーが最適化パッチを提供することが多く、最新版へ更新することでフレームレートの改善やスタッター軽減が期待できる。自動更新機能を有効化しておけば、最適化を逃すリスクが減る。
グラフィックドライバー以外
グラフィックドライバー以外にも確認すべきドライバーは多い。デバイスマネージャーで黄色い警告マークが付いたデバイスは、ドライバーの欠落または異常を示すため、優先的に更新する必要がある。
チップセットドライバー、ストレージドライバー、ネットワークドライバーはゲームの安定性に影響する。Windows Updateでは多くのドライバーが自動更新されるが、チップセットやストレージ関連はメーカー公式ページのほうが更新が早い場合がある。
ドライバー更新後
ドライバー更新後は、GPUの設定を最適化する。NVIDIAコントロールパネルやAMD Radeon Softwareにはゲームごとのプロファイル機能があり、アンチエイリアス方式や電力管理、低レイテンシモードなどを個別に調整できる。ゲームの性質に合わせた最適な設定を自動で適用でき、性能と安定性を確保しやすくなる。
Windows 11固有の最適化テクニック
Windows 11にはゲーム性能に影響を与える独自機能があり、その調整がカクつき対策として有効である。
VBSの無効化
まずVBS(仮想化ベースのセキュリティ)の無効化を考える。
VBSは仮想化技術を用いてシステムの重要領域を隔離し、悪意あるコードから保護する仕組みである。OS内部の一部を仮想環境で動作させるため安全性は高まるが、その分だけCPU負荷やメモリアクセスにオーバーヘッドが生じる。
実際に、VBS有効化時には一部ゲームでフレームレートが低下する事例が報告されている。セキュリティ強化と性能低下のトレードオフが存在するため、有効・無効の判断は環境に合わせて行うべきである。
無効化は「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Windows セキュリティ」→「デバイスのセキュリティ」から可能。ただしVBSを無効にすると保護機能が弱まるため、ゲーム専用環境かどうかを踏まえて慎重に判断すべきである。
オーバーレイ機能の最適化
次にオーバーレイ機能の最適化である。Windows 11ではGame Barを中心にオーバーレイが提供されている。
オーバーレイはゲーム画面上に情報を重ねて表示でき便利だが、CPUとGPU双方に軽度の負荷がかかるため、タイトルによってはフレームレートを不安定にする。
Win + G でGame Barを開き、キャプチャ、通知、ウィジェットなど不要な項目をオフにすることで負荷を軽減できる。FPS表示など必要なものに絞るのが望ましい。
DirectStorage
DirectStorageの活用も効果的である。この技術はSSDからGPUへデータを直接転送し、CPUを経由しないためロード時間を大幅に短縮できる。特にNVMe SSDでは帯域の広さを活かし、マップ切り替えやテクスチャストリーミングの安定化が期待できる。
DirectStorageはゲーム側の対応が必要であり、対応タイトルのみで効果を発揮する。Windows Updateの適用とNVMe SSDの使用が前提条件となる。
まとめ
ゲームのカクつきを解消するには、ハードウェアとソフトウェアの両面から最適化が必要だ。グラフィック設定の調整、ドライバーの更新、不要なプロセスの停止が基本となる。Windows 11固有の機能も活用しよう。
長期的なパフォーマンス維持には、定期的なシステムクリーンアップとドライバー更新が欠かせない。対策を組み合わせ、快適なゲーム環境を実現できる。




