CPUクーラーはCPUの発熱を効率よく逃がす装置だ。適切な冷却はCPUの性能を最大限に引き出し、安定動作と長寿命化に欠かせない。CPUクーラーの選び方は、パソコンの用途や予算、ケースのサイズによって変わる。
CPUクーラーは大きく空冷式と水冷式に分かれる。空冷式は金属製のヒートシンクとファンを組み合わせた構造で、安価で信頼性が高い。水冷式は冷却液を循環させて熱を逃がす仕組みで、高い冷却性能を誇る。
空冷式クーラーを選ぶときは、ヒートシンクのサイズとファンの回転数に注目する。大きなヒートシンクほど放熱効率が良く、高回転のファンほど冷却力が高い。ただし、大型クーラーはケースに収まらないこともあるので、事前に寸法を確認する。
高回転ファンは騒音の原因になりやすい。静音性を重視するなら、大型の低回転ファンを採用したモデルが望ましい。近年はヒートパイプ技術の進歩により、低回転でも高い冷却性能を発揮するクーラーが増えている。
水冷式クーラーは一体型とカスタム水冷に分類される。一体型は取り付けが簡単で漏水リスクが低い。カスタム水冷は冷却性能や拡張性に優れるが、組み立てに手間がかかる。水冷初心者には一体型がおすすめだ。
CPUクーラーを選ぶ際は、TDP(熱設計電力)に注意する。クーラーの冷却能力はTDP値で表されるので、使用するCPUのTDPよりも高い値のクーラーを選ぶ。オーバークロックを行う予定があるなら、さらに余裕を持たせた方が良い。
クーラーの取り付け方式もチェックポイントだ。CPUソケットによって対応する取り付け金具が異なる。互換性のないクーラーを購入しないよう、CPUとマザーボードの仕様を確認する。
熱伝導グリスの品質も冷却効率に影響する。高品質な熱伝導グリスを使用すると、CPUとクーラーの熱伝導率が向上する。付属のグリスで不安なら、別途高性能グリスを購入するのも一案だ。
最後に、CPUクーラーのメンテナンスにも触れておく。定期的にホコリを除去し、ファンの動作を確認する。水冷式なら冷却液の補充や交換も必要になる。適切なメンテナンスを行えば、クーラーの性能を長く維持できる。
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