
CPU(中央演算処理装置)はコンピューターの頭脳と呼ばれる核心部品だ。データの処理や演算を担い、システム全体の性能を大きく左右する。CPUの選択は、パソコンの用途や予算に応じて慎重に行う。
CPUの性能は主にクロック周波数とコア数で決まる。クロック周波数は1秒間に実行できる処理回数を表し、高いほど単一タスクの処理が速い。コア数は同時に実行できる処理の数を示し、多いほど複数のタスクを効率よくこなせる。
一般的な事務作業やウェブ閲覧なら、中程度のクロック周波数と4コア程度のCPUで十分だ。動画編集や3DCG制作などの負荷の高い作業には、高クロック周波数と8コア以上のハイエンドCPUが望ましい。
CPUを選ぶときは、TDP(熱設計電力)に注目する。TDPが高いCPUほど発熱量が多く、冷却が難しくなる。小型PCを組む際は、低TDPのCPUを選ぶと熱対策が楽。
キャッシュメモリの容量も重要だ。キャッシュはCPU内部の高速メモリで、頻繁にアクセスするデータを一時的に保存する。容量が大きいほど、データの読み書きが速くなり、全体的な処理速度が向上する。
CPUの世代は、新しいほど、同じクロック周波数でも処理効率が良くなる傾向がある。最新世代のCPUは高価なので、コストパフォーマンスを考えると1~2世代前のモデルを選ぶのも賢明だ。
CPUを交換するときは、マザーボードとの互換性に注意する。CPUソケットが合わないと、物理的に取り付けられない。Intel製とAMD製では互換性がないので、マザーボードに合わせてCPUを選ぶ。
ゲーム用途なら、CPU内蔵グラフィックスの性能も考慮する。軽めのゲームならCPU内蔵グラフィックスでも十分楽しめる。高負荷のゲームには別途グラフィックボードが必要になる。
CPUの選び方で迷ったら、ベンチマークスコアを参考にするのが良い。各種ウェブサイトで公開されているベンチマーク結果を比較すれば、実際の性能差がわかりやすい。ベンチマークはあくまで目安で、実際の使用感とは異なる場合もある。