ASRockは、2002年に台湾で創業した比較的新しいマザーボードメーカーである。親会社ASUSの低価格ブランドとして誕生したASRockは、独自路線を歩み始め、急速に成長を遂げた。
創業当初、安価な製品を提供する企業として知られていたASRockは,技術革新と品質向上に注力し、ハイエンド市場への参入を果たす。2011年にはASUSから独立し、独自のブランドとして確固たる地位を築いた。
マザーボード市場において、ASRockは第3位の座を占める。高性能と手頃な価格を両立させた製品ラインナップにより、enthusiast向け市場でも支持を集めている。オーバークロックに対応した製品群は、パソコン愛好家から高い評価を得ている。
近年、ASRockは革新的な機能を次々と発表し、業界に新風を吹き込んでいる。水冷に対応した「Aqua」シリーズや、極限のオーバークロックを可能にする「OC Formula」シリーズは話題を呼んでいる。
ASRock社の詳細と日本
ASRockは、台湾の台北市に本社を置く電子機器製造会社である。2002年の創業以来、主にマザーボードの製造に注力してきた。創業者のテッド・スー氏は、ASUSの元幹部であり、その経験を活かして新たな挑戦を始めた。
ASRockの社名は「AS」(ASUSの略)と「Rock」(岩のように堅固な製品の意)を組み合わせたものである。この名前には、堅実な品質と革新的な技術を追求する企業理念が込められている。
日本市場においてASRockは、2007年に正式参入を果たした。当初は知名度不足に苦しんだが、高品質な製品と競争力のある価格設定により、徐々にシェアを拡大した。現在、日本のPCパーツ市場で一定の地位を確立している。
日本のマザーボード市場では、2015年以降、年間販売台数でASUSに次ぐ2位を維持し続けた。2021年2月には、月間販売台数でASUSを逆転し首位を獲得。この快挙は、ASUSが9年10か月間守り続けた月間1位の座を打ち破るものだった。
日本市場では、株式会社アスク、シー・エフ・デー販売、テックウインド株式会社が正規代理店である。
ASRockの強みは、迅速な製品開発と柔軟な市場戦略にある。新技術への対応が早く、時にはIntelやAMDの新製品発表と同時に対応マザーボードを発表することもある。この迅速さが高い評価を得ている要因の一つである。
ASRockの革新的技術
ASRockの革新的技術は、パソコン愛好家を魅了し続けている。その中でも際立つのが、OC Formulaシリーズ、Aquaシリーズ、Taichi Ultimateである。
OC Formulaシリーズは、極限のオーバークロックを追求したマザーボードだ。高品質な電子部品を採用し、安定した電力供給を実現している。基板上に配置された温度センサーが、リアルタイムで各部の温度を監視し、過熱によるシステムの不安定化を防ぐ。BIOSには豊富なオーバークロック設定項目があり、上級者でも満足できる。
Aquaシリーズは、水冷に特化したマザーボードだ。基板上に水冷ブロックを直接搭載し、チップセットやVRMの冷却効率を飛躍的に向上させ、高負荷時でも安定した動作を維持できる。水冷ブロックにはRGBライトを内蔵し、美しい発光効果も楽しめる。水冷システムとの親和性が高く、複雑な配管も容易に行える。
Taichi Ultimateは、ASRockの技術の粋を集めた最高峰モデル。高速なネットワーク接続を実現する10ギガビットイーサネットポートを標準装備した。最新のWi-Fi 6Eにも対応し、無線環境でも高速な通信が可能だ。電源回路には、16フェーズのデジタル制御を採用し、高性能CPUへの安定した電力供給を実現している。拡張性にも優れ、複数のM.2 SSDスロットやPCIeスロットを備えている。
これらの製品には、ASRockの独自技術が随所に盛り込まれている。例えば、Dr. Debugと呼ばれるLEDディスプレイは、起動時の問題を素早く特定できる。また、Polychrome SYNCは、RGB LEDを細かく制御し、美しい光の演出を可能にする。
ASRockのユニークな機能
ASRockは、独自の機能を数多く開発している。その中でも特筆すべき三つの機能を紹介する。
BFB (Base Frequency Boost) テクノロジーは、ASRockが誇る画期的な性能向上技術だ。通常、CPUの基本クロック周波数は固定されているが、BFBはこれを動的に引き上げる。例えば、Intel Core i3プロセッサの基本クロックを最大で500MHz向上させる。マルチタスク処理や負荷の高いアプリケーションの実行速度が飛躍的に改善する。BFBは、BIOS設定から簡単に有効化できる。
Dr. Debugは、マザーボード上に搭載された2桁のLEDディスプレイだ。起動時に発生した問題を数字コードで表示し、トラブルシューティングを容易にする。コード「55」はメモリ関連の問題を示す。問題の原因を素早く特定し、解決への道筋を立てやすくなる。POSTコードディスプレイとしても機能し、起動プロセスの各段階を数字で表示するため、システムの状態をリアルタイムで把握できる。
Polychrome SYNC RGB LEDは、ASRockの洗練されたLED制御システムだ。マザーボード上のLEDだけでなく、対応する外部デバイスのLEDも一括制御できる。色や点灯パターンを自由に設定でき、静的な単色から複雑なレインボー効果まで、多彩な光の演出が可能だ。音楽や温度に連動した発光モードも備えている。専用ソフトウェアを使用すれば、直感的な操作で好みの光環境を作り出せる。
BFBは実質的な性能向上をもたらし、Dr. Debugはトラブルシューティングの時間を大幅に短縮する。Polychrome SYNC RGB LEDは、パソコンを個性的な作品に変貌させる。ASRockは、これらの機能を通じて、パソコン構築の楽しさを新たな次元に引き上げている。
隠れた逸品: マイナーだが侮れないモデル
ASRockは、主力製品以外にも注目に値する隠れた逸品を数多く生み出している。中でも、Mini-ITXマザーボードとサーバー向けモデルは、高い評価を得ている。
Mini-ITXマザーボードの分野で、ASRockは傑作と呼べる製品を送り出している。その代表格がASRock X570 Phantom Gaming-ITX/TB3だ。
ASRock X570 Phantom Gaming-ITX/TB3
わずか17cm×17cmのサイズに、最新のAMD X570チップセットを搭載し、高性能なRyzen CPUをフル活用できる。Thunderbolt 3ポートを標準装備し、高速な外部接続も実現した。VRMは8フェーズで構成され、小型ながら安定した電力供給を可能にする。冷却面でも工夫を凝らし、ヒートシンクの表面積を最大化している。これにより、狭小なケース内でも高いパフォーマンスを発揮する。
Mini-ITXながら、PCIe 4.0 x16スロットとM.2スロットを備え、拡張性も確保している。Wi-Fi 6とBluetooth 5.0も内蔵し、無線環境での利用にも優れている。この製品は、小型PCを追求するマニアの間で、究極のMini-ITXマザーボードとして認知されている。
一方、サーバー向けモデルでは、ASRock Rack EPYC7002D8-2Tが驚異的な安定性を誇る。このマザーボードは、AMDのEPYCプロセッサに対応し、最大64コアのCPUを搭載できる。8チャンネルのDDR4メモリスロットを備え、大容量のメモリを利用可能だ。デュアル10GbE LANポートを標準装備し、高速なネットワーク接続を実現している。
このモデルの最大の特徴は、信頼性を重視した設計にある。高品質な部品を厳選し、長時間の連続稼働にも耐える耐久性を備えている。また、IPMIコントローラーを搭載し、リモートでのサーバー管理を容易にしている。これらの機能により、企業の基幹システムやデータセンターでの使用に最適な環境を提供する。
ASRockのこれらのマイナーモデルは、一般ユーザーの目にはつきにくいが、その性能と信頼性は高く評価されている。こうした隠れた逸品を通じて、様々なニーズに応える技術力の高さを示している。
ASRockの最新マザーボード
ASRockの最新マザーボードを、Intel、AMD、ATX、MicroATX、Mini-ITXに分けて紹介する。
Intel ATX:
Z790 Taichi
- チップセット: Intel Z790
- メモリ: DDR5 7000MHz+
- PCIe: 5.0 x16, 4.0 x16
- ハイエンド向け。豪華な電源回路と最新機能を搭載。
H770 Steel Legend
- チップセット: Intel H770
- メモリ: DDR5 6800MHz+
- PCIe: 4.0 x16
- コスパに優れたミドルレンジモデル。高品質部品採用。
Intel MicroATX:
B760M Steel Legend
- チップセット: Intel B760
- メモリ: DDR5 6800MHz+
- PCIe: 4.0 x16
- コンパクトながら高性能。RGB照明が美しい。
H610M-HDV/M.2
- チップセット: Intel H610
- メモリ: DDR4 3200MHz
- PCIe: 3.0 x16
- エントリー向け。コスト重視だが基本性能は十分。
Intel Mini-ITX:
Z690 Phantom Gaming-ITX/TB4
- チップセット: Intel Z690
- メモリ: DDR5 6400MHz+
- PCIe: 5.0 x16
- 小型ながらハイエンド仕様。Thunderbolt 4搭載。
H670M-ITX/ax
- チップセット: Intel H670
- メモリ: DDR4 5000MHz+
- PCIe: 4.0 x16
- バランスの取れた小型モデル。Wi-Fi 6E対応。
AMD ATX:
X670E Taichi
- チップセット: AMD X670E
- メモリ: DDR5 6600MHz+
- PCIe: 5.0 x16
コメント: AMDプラットフォーム最上位モデル。オーバークロックに強い。
B650 PG Riptide
- チップセット: AMD B650
- メモリ: DDR5 6400MHz+
- PCIe: 4.0 x16
- ミドルレンジながら高性能。冷却設計が秀逸。
AMD MicroATX:
B650M PG RIPTIDE
- チップセット: AMD B650
- メモリ: DDR5 6400MHz+
- PCIe: 4.0 x16
- コンパクトながら拡張性が高い。電源回路が充実。
A620M-HDV/M.2
- チップセット: AMD A620
- メモリ: DDR5 5200MHz+
- PCIe: 3.0 x16
- エントリーモデルながらDDR5対応。コスパ重視。
AMD Mini-ITX:
X670E PG-ITX/TB4
- チップセット: AMD X670E
- メモリ: DDR5 6400MHz+
- PCIe: 5.0 x16
- 最小サイズながら最高性能。Thunderbolt 4搭載。
B650I PG RIPTIDE
- チップセット: AMD B650
- メモリ: DDR5 6400MHz+
- PCIe: 4.0 x16
- 小型ながら高性能。2.5GbEとWi-Fi 6E搭載。
オーバークロッカーの聖地
ASRockは、オーバークロッカーたちの間で「聖地」と呼ばれるほどの高い評価を得ている。その理由は、世界記録を塗り替える性能と、細部まで作り込まれたBIOS設定にある。
世界記録を塗り替えたASRockマザーボードの代表格は、X570 OC Formulaだ。2021年にAMD Ryzen 9 5950Xを搭載し、CPU-Zベンチマークで当時の世界最高スコアを記録した。16コアすべてを5.75GHzまで引き上げ、シングルスレッドスコア765.8点、マルチスレッドスコア15664.4点を叩き出した。この記録は、ASRockの卓越した電源設計と冷却技術の証明となった。
X570 OC Formulaの成功の鍵は、18フェーズのデジタル電源回路にある。この設計により、極限まで電圧を上げても安定した電力供給を維持できる。基板には厚銅箔を使用し、高い電流にも耐える耐久性を実現した。ヒートパイプと大型のヒートシンクを組み合わせ、VRMの温度上昇を抑制している。
BIOS設定の深い調整オプションも、ASRockの強みだ。Z690 TaichiのBIOSには、オーバークロッカーを唸らせる豊富な設定項目がある。CPU電圧の調整は0.00625V刻みで行え、微細な調整が可能だ。Load-Line Calibrationは10段階で設定でき、電圧降下を精密に制御できる。
メモリオーバークロックに関しても、ASRockは充実した機能を提供する。タイミングは0.1ns単位で調整でき、サブタイミングまで細かく設定できる。独自のASRock Timing Configuratorソフトウェアを使えば、OSからリアルタイムでメモリタイミングを変更できる。
ASRockのBIOSは、初心者にも配慮している。EZ Modeでは、主要な設定を直感的に変更でき、オーバークロックの敷居を下げている。Advanced Modeでは、上級者向けの詳細な設定項目を用意し、極限の性能を追求できる。
ASRockのマザーボードはオーバークロッカーたちの創造性を刺激し、新たな記録への挑戦を後押ししている。
ASRockのグラフィックボード事業展開
ASRockは、2018年にグラフィックボード市場に参入した。当初はAMD製GPUを搭載したモデルのみを展開していたが、現在ではNVIDIA製GPUを採用した製品も取り扱っている。
Phantom Gamingシリーズは、ASRockのグラフィックボードの主力ラインアップだ。高性能モデルから中級機まで幅広い製品を揃え、ゲーマーやクリエイターの要求に応えている。冷却設計に注力し、大型ヒートシンクや静音性の高いファンを採用している。
上位モデルにはTaichiシリーズがある。Taichiは、ASRockのマザーボードでも高級ラインとして知られている。グラフィックボードでも同様に、最高級の部品と洗練されたデザインを特徴としている。強化された電源回路や大容量のVRAMを搭載し、オーバークロッカーの期待に応えている。
ASRockの特徴的な製品に水冷対応モデルがある。Aquaシリーズは、工場出荷時から水冷ブロックを装着している。これにより、高負荷時の温度上昇を抑え、安定した高クロック運用を実現している。
また、小型グラフィックボードの分野でもASRockは存在感を示している。Mini-ITXケース向けの短尺モデルを複数ラインアップし、コンパクトPCユーザーの支持を得ている。
ASRockのグラフィックボードは、独自のファームウェアやオーバークロックツールを提供している。これらのソフトウェアにより、ユーザーは細かな性能調整や監視を行える。
価格面では、同性能の他社製品と比較して競争力のある価格設定を心がけている。コストパフォーマンスを重視するユーザー層からの支持を集めている。
ASRockは、グラフィックボード事業においても革新的な製品開発を続けている。PCIe 4.0対応モデルをいち早く市場に投入し、最新技術の普及に貢献した。今後はPCIe 5.0対応製品の登場も期待されている。
マザーボード事業で培った技術力と信頼性を基盤に、グラフィックボード分野でも存在感を高めている。
では、いくつかの製品をみていく。
ASRock Radeon RX 7900 XTX Phantom Gaming 24GB OC
- GPU: AMD Radeon RX 7900 XTX
- VRAM: 24GB GDDR6
- ブースト時クロック: 2525 MHz
- AMDフラッグシップGPU採用。高性能冷却システムで安定動作を実現。
ASRock Radeon RX 7600 Phantom Gaming 8GB OC
- GPU: AMD Radeon RX 7600
- VRAM: 8GB GDDR6
- ブースト時クロック: 2755 MHz
- コストパフォーマンスに優れた中級モデル。静音性も高い。
ASRock Radeon RX 6700 XT Challenger Pro 12GB OC
- GPU: AMD Radeon RX 6700 XT
- VRAM: 12GB GDDR6
- ブースト時クロック: 2620 MHz
- 1440p gaming向け。大型ヒートシンクで優れた冷却性能。
ASRock Radeon RX 6500 XT Phantom Gaming D 4GB OC
- GPU: AMD Radeon RX 6500 XT
- VRAM: 4GB GDDR6
- ブースト時クロック: 2825 MHz
- エントリーモデルながら高クロック。小型PCにも適合。
ASRock Radeon RX 6950 XT OC Formula 16GB
- GPU: AMD Radeon RX 6950 XT
- VRAM: 16GB GDDR6
- ブースト時クロック: 2435 MHz
- ハイエンドモデル。オーバークロック向け電源設計採用。
ASRock Radeon RX 6800 XT Taichi X 16G OC
- GPU: AMD Radeon RX 6800 XT
- VRAM: 16GB GDDR6
- ブースト時クロック: 2360 MHz
- 高級感あるデザイン。強化された電源回路で安定動作。
ASRock Radeon RX 6600 XT Challenger ITX 8GB
- GPU: AMD Radeon RX 6600 XT
- VRAM: 8GB GDDR6
- ブースト時クロック: 2589 MHz
- コンパクトデザイン。Mini-ITXケースに最適。
ASRock Radeon RX 6400 Challenger ITX 4GB
- GPU: AMD Radeon RX 6400
- VRAM: 4GB GDDR6
- ブースト時クロック: 2321 MHz
- 低消費電力設計。補助電源不要で手軽に増設可能。
ASRock Phantom Gaming D Radeon RX 570 4G
- GPU: AMD Radeon RX 570
- VRAM: 4GB GDDR5
- ブースト時クロック: 1293 MHz
- コストパフォーマンスに優れた旧世代モデル。eSports向け。
ASRock Challenger D Radeon RX 6600 8GB
- GPU: AMD Radeon RX 6600
- VRAM: 8GB GDDR6
- ブースト時クロック: 2491 MHz
- 1080p gamingに最適。電力効率の良い設計。
価格性能比の王者
ASRockは、高性能と手頃な価格を両立させた製品ラインナップで、価格性能比の王者としての地位を確立している。ミドルレンジモデルの高い費用対効果と、エントリーモデルの妥協なき品質は、多くのユーザーを魅了している。
ミドルレンジモデルの高コスパ
ASRockのミドルレンジモデルは、高価格帯の製品に迫る性能を、より低い価格で提供する。B550 Steel Legendは、AMDのB550チップセットを採用したマザーボードだ。X570チップセットに比べて安価ながら、PCIe 4.0対応のM.2スロットを備え、高速なストレージを活用できる。VRMは12+2フェーズの電源設計を採用し、高性能CPUの安定動作を支える。
2.5ギガビットイーサネットポートを標準装備し、高速ネットワーク環境にも対応する。RGB LEDコントロール機能も搭載し、見た目の華やかさも兼ね備える。これらの機能を、競合他社の同クラス製品よりも低価格で提供している。
エントリーモデルでも妥協しない品質
ASRockのエントリーモデルは、低価格ながらも高い品質基準を維持している。H510M-HDV/M.2は、IntelのH510チップセットを採用した省スペース設計のマザーボードだ。予算重視のユーザーに向けた製品ながら、M.2 SSDスロットを搭載し、高速ストレージの恩恵を受けられる。
電源回路は7フェーズ設計を採用し、エントリーモデルとしては充実した仕様だ。これにより、Core i5クラスのCPUでも安定動作を実現する。フルサイズのGPUに対応するPCIe x16スロットを備え、将来の拡張性も確保している。
ASRockは、これらのモデルで使用する電子部品の選定にも注力している。日本製の高品質コンデンサーを採用し、長期使用での信頼性を高めている。Full Spike Protection技術により、静電気や電圧変動からコンポーネントを保護する。
ASRockは価格帯に関わらず、高い品質基準を維持している。ミドルレンジモデルでは高機能を手頃な価格で提供し、エントリーモデルでも基本性能と信頼性を確保している。
未来への展望
ASRockは常に技術革新の最前線に立ち、次世代のインターフェースや新たな計算パラダイムに積極的に対応している。この姿勢は、ユーザーの期待を大いに高めている。
次世代インターフェースへの対応
ASRockは、Thunderbolt 4の採用を加速させている。Thunderbolt 4は、最大40Gbpsの転送速度を実現し、4K・60Hzの外部ディスプレイを2台同時接続できる。ASRockは、Intel Z590チップセット搭載マザーボードの一部モデルに、Thunderbolt 4コントローラーを標準搭載した。
USB4への対応も進んでいる。USB4は、Thunderbolt 3のプロトコルを取り入れ、最大40Gbpsの転送速度を実現する。ASRockは、次世代のAMDプラットフォーム向けマザーボードでUSB4ポートの搭載を計画している。
PCIe 5.0への対応も視野に入れている。PCIe 5.0は、PCIe 4.0の2倍の帯域幅を持ち、高速なストレージやグラフィックスカードの性能を最大限に引き出す。ASRockは、Intel AlderlakeプラットフォームでPCIe 5.0対応マザーボードの開発を進めている。
AIやマシンラーニング向け機能の実装予測
ASRockは、AIやマシンラーニング向けの機能実装にも注力している。NPU(Neural Processing Unit)の搭載を検討しており、CPUやGPUの負荷を軽減しつつ、AIタスクの高速処理を実現する計画だ。
FPGA(Field-Programmable Gate Array)の統合も視野に入れている。FPGAは、ハードウェアレベルでプログラム可能な集積回路で、特定のAIアルゴリズムに最適化された処理を行える。ASRockは、高性能マザーボードにFPGAを搭載し、柔軟なAI処理環境の提供を目指している。
量子コンピューティングへの対応も検討している。現在の量子コンピューターは大規模な設備を必要とするが、将来的には小型化が進むと予想される。ASRockは、量子ビットを制御するための専用インターフェースの開発に着手している。
ASRockはこれらの先進技術を、ハイエンドモデルから順次導入する計画だ。革新的な姿勢は、パソコン業界全体の発展を牽引する原動力となっている。
まとめ
ASRockは、パソコン業界に新風を吹き込み続けている。高性能と低価格を両立させた製品戦略は、競合他社に大きな影響を与えた。OC Formulaシリーズは、オーバークロッカーの常識を覆す性能を実現し、業界標準を引き上げた。
BFBテクノロジーは、CPUの基本クロックを動的に引き上げ、システム全体の性能を向上させる。また、Dr. Debug機能は、トラブルシューティングを劇的に簡略化した。
変態的を呼ばれるASRockは次世代技術の採用にも積極的だ。Thunderbolt 4やPCIe 5.0への早期対応は、最先端のパーツを求めるユーザーの心を掴んでいる。ASRockの挑戦は、パソコン業界全体の技術革新を加速させている。