
Windows 11の登場により、多くのユーザーがスムーズな操作性を期待したが、メモリ不足問題が浮上し、パソコンの動作が遅くなる事態が発生している。
この記事では、Windows 11のメモリ対策を詳しく解説する。パソコンの動作速度を向上させ、快適な環境を取り戻すための具体的な方法を紹介する。
Windows 11のメモリ要件と一般的な問題
Windows 11の動作には最低4GBのメモリが必要だ。しかし快適に使用するには8GB以上、マルチタスクを行う場合は16GB以上を推奨する。
メモリとはコンピュータの一時的な記憶装置で、実行中のプログラムやデータを保持する。
メモリとはコンピュータの一時的な記憶装置で、実行中のプログラムやデータを保持する。メモリの役割と性能向上の重要性については別記事で詳しく解説しているので、基礎から理解を深めたい方は参考にしてほしい。
メモリはコンピュータの短期記憶に例えられる。正式名称はRAM(Random Access Memory)で、電源を切るとデータが消える揮発性の記憶装置だ。CPUが直接アクセスできる高速な記憶領域で、実行中のプログラムやデータを一時的に保存する。
ハードディスクやSSDと異なり、メモリは電気的にデータを記録するため、高速なデータの読み書きが可能だ。現在使用中のアプリケーション、開いているファイル、実行中のシステムプロセスなどは、すべてメモリ上に展開される。
メモリの容量が大きいほど、同時に多くのプログラムを快適に動作させられる。例えば、ブラウザで複数のタブを開きながら、動画編集ソフトを使用するような場合、十分なメモリがあれば円滑に作業できる。
メモリが不足すると
メモリ不足になると OS はページング(仮想メモリへのスワップ)を多用し、ディスク I/O が増えて動作が遅くなる。アプリの起動遅延、フリーズ、強制終了、画面切替の遅延などが発生しやすい。仮想メモリの扱いによっては、ページファイルの拡張に伴う遅延やメモリ割当エラーも起こりうる。
また、頻繁なスワップでSSDへの書き込みが増えると理論上は寿命を短くするとされている。スワップとは、物理メモリが不足したときに、その一部のデータをHDD や SSDなどのストレージに一時退避させる仕組みのことである。Windows では「仮想メモリ」「ページファイル」「ページング」などと呼ばれる場合もあるがスワップと同じものだ。
現代の SSD は耐久性が向上しているが、スワップが常態化している場合は注意が必要である。対策としてはメモリ増設、不要な常駐アプリの無効化、ページファイル自動管理の維持などが有効である。メモリ以外にもWindows 11の動作が遅い原因は複数あるため、総合的なパフォーマンス改善を目指す場合は併せて確認するとよい。
メモリ不足の主な原因
複数の大規模アプリケーションを同時に実行すると、メモリ不足に陥りやすい。画像編集ソフトや動画編集ソフト、3Dモデリングソフトなどは多くのメモリを消費する。これらを同時に開くと、利用可能なメモリが急速に枯渇する。
バックグラウンドで動作するプロセスの増加もメモリ不足の原因となる。起動時に自動的に立ち上がるプログラムや、常駐ソフト、ウイルス対策ソフトなどが該当する。これらは目に見えないところでメモリを消費し続ける。
メモリリークも深刻な問題だ。プログラムが使用したメモリを適切に解放しないことで、徐々にメモリが消費され続ける現象を指す。長時間パソコンを使用し続けると、このメモリリークの影響が顕著になる。
ブラウザの多数のタブ開放や、大量のファイルやフォルダを開いたままにすることも、メモリ不足を引き起こす。また、Windows 11の新機能やグラフィカルな要素も、以前のバージョンよりメモリを多く使用する傾向にある。これらの要因が重なり、ユーザーが気づかないうちにメモリ不足に陥ることがある。
メモリ使用状況の確認方法
Windows 11でメモリ使用状況を確認するには、タスクマネージャーが便利だ。キーボードの「Ctrl + Shift + Esc」を押すと起動する。「パフォーマンス」タブを開くと、メモリの使用率や使用可能な容量を一目で把握できる。「プロセス」タブでは、各アプリケーションのメモリ使用量を確認できる。メモリを大量に消費しているプログラムを見つけ出すのに役立つ。
より詳細な情報を得たいなら、リソースモニターを利用する。スタートメニューから「リソースモニター」と入力して起動する。「メモリ」タブでは、物理メモリの使用状況やページングファイルの詳細を確認できる。各プロセスのメモリ使用量や、メモリの割り当て状況も詳しく表示される。
これらのツールを活用し、普段のメモリ使用状況を把握しておくと、問題が発生しても素早く対処できる。
メモリ不足を改善するための基本的な対策
メモリ不足を改善する第一歩は、不要なプログラムの終了である。タスクマネージャーの「プロセス」タブでメモリ消費の大きいアプリケーションを確認し、使用していないものを終了する。バックグラウンドで動作している不要なプログラムも停止させる。
次に、スタートアッププログラムの最適化を行う。タスクマネージャーの「スタートアップ」タブでは、Windows 起動時に自動的に起動するプログラムを確認できる。不要な項目を無効化すれば、起動時のメモリ消費を抑えられる。セキュリティソフトなど重要なプログラムは無効化しないよう注意する必要がある。
ブラウザのタブ管理も効果的である。多数のタブを開いたままにするとメモリ消費が増えるため、不要なタブは閉じ、必要なページはブックマークで管理する。タブの自動更新を抑制する拡張機能を利用すれば、メモリ負荷をさらに軽減できる。
定期的にキャッシュやテンポラリファイルを削除することも有効である。「ディスククリーンアップ」などの標準ツールを使えば、不要ファイルを容易に削除できる。これらの基本的な対策を継続し、Windows 11 のメモリ使用効率は向上し、全体的な動作も安定する。
高度なメモリ管理テクニック
Windows 11 のパフォーマンスを向上させるには、メモリ管理の最適化が欠かせない。
まず、仮想メモリの設定を調整する。仮想メモリとは、ハードディスクの一部を RAM の拡張として使用する仕組みである。設定は「システムのプロパティ」から「詳細設定」タブを開き、「パフォーマンス」の「設定」を選択する。
続いて「詳細設定」タブの「仮想メモリ」で「カスタムサイズ」を選び、初期サイズと最大サイズを物理メモリのおよそ 1.5 倍に設定する。この値にすることで、ページファイルの自動拡張による負荷を抑え、安定した動作を確保しやすくなる。
ReadyBoost
Windows には ReadyBoost という機能がある。ReadyBoost は USB フラッシュドライブや SD カードなどのリムーバブルストレージをメモリキャッシュとして利用し、システムの応答性を高める仕組みである。ハードディスクより高速なフラッシュメモリを補助的な記憶領域として利用することで、低容量メモリ環境での遅延を軽減する。
使用方法は、USB メモリを PC に挿入し、エクスプローラーで該当ドライブを右クリックして「プロパティ」を開き、「ReadyBoost」タブで「このデバイスを使用する」を選択するだけである。
ReadyBoost が効果を発揮するのは HDD 搭載 PC や物理メモリが少ない環境である。SSD 搭載 PC では SSD 側の速度が十分高速なため、ReadyBoost を有効化しても効果が得られないか、むしろ性能が低下する場合がある。また、低速な USB デバイスでは効果が薄い。
ハードウェアアップグレード
メモリ不足に悩まされている場合、メモリ増設は効果的な解決策である。増設のメリットは大きく、複数のアプリケーションを同時に実行してもシステムの応答性が向上し、重いソフトウェアやゲームも安定して動作するようになる。ブラウザのタブを多数開いた場合でも、動作が重くなりにくくなる。
メモリ増設を検討する際は、互換性の確認が不可欠である。まず、マザーボードが対応しているメモリの種類や最大容量を確認する必要がある。これらは PC メーカーの公式サイトやマザーボードの仕様書で確認できる。
自作PCの場合は自作パソコンの最適なメモリを選択するためにの記事も参考にしてほしい。
現在搭載されているメモリの詳細は「タスクマネージャー」の「パフォーマンス」タブから「メモリ」を選択すれば確認できる。表示される容量、速度、スロット使用状況を基に、互換性のあるメモリを選択する。
異なる種類や速度のメモリを混在させると、動作が低速になる、あるいは安定性が損なわれる可能性があるため注意が必要である。
まとめ
本記事で紹介したメモリ対策を実践すれば、Windows 11の動作速度は向上する。不要なプログラムの削除やタスクマネージャの活用など、基本的な対策から高度な設定まで、様々な方法を試してみよう。
マイクロソフトは定期的にアップデートを行っており、今後のバージョンではメモリ管理がさらに改善される見込みだ。ユーザーの声を反映したシステムの最適化に期待が高まる。




