販売されるグラフィックボードは数え切れないほどあり、GPUの種類も多くメーカーも多種多様。その中から最適なグラフィックボードを選べるように、NVIDIA(エヌビディア)社GeForceとAMD社Radeonのグラフィックボードについて基礎知識をここで見ていく。
GeForceの概要
グラフィックボードの二大ブランドといえるのが、NVIDIAとAMD。
そのNVIDIAの主力となるモデルがGeForce。Pascal(パスカル)と呼ばれている基本設計を中心に設計されていたが、RX20シリーズやGTX16シリーズから、Turing(チューリング)という基本設計に変更されつつある。
GPUの種類が多く、型番を正確に把握する必要がある。
GTX10シリーズは前の世代で、RX20シリーズやGTX16シリーズは最新の世代である。
数字の下2桁は性能を表していて、数字が大きいほど高性能ということになる。
新しい世代のほうが性能が高いので、GTX1060、GTX1660を比較すると下2桁は60で共通しているは世代が10と16で異なっている。GTX1660のほうが世代が新しく性能が高いことを意味する。
リアルタイム レイ トレーシング
最新のRTX20やGTX16シリーズは、リアルタイム レイ トレーシング(ray tracing:光線追跡法)に対応している。
リアルタイムレイトレーシングとは空間の中の光線の動きを再現する技術のこと。
動いている光の源や光の当たる物体、それをとらえる視覚の関係をリアルタイムに計算し、映像を作り出す技術だ。
レイトレーシングは、光の反射をリアルに表現する。車のドアに反射する人の顔、爆発の光が本格的に表現されリアリティーが増す。そこまで対応しているゲームはまだ少ない。
RX20シリーズは、RT coreという専用チップが搭載されているのが特徴。RX16シリーズには搭載されていない。
RT coreを搭載していないモデルGTX16やGTX10シリーズでも最新のドライバに更新すれば、レイトレーシングの基本性能は使えるようになる。
🔸GeForce GTX(クラス) 16(世代) 60(性能) Ti
末尾についているTIは性能が強化されているという意味。CPUと同じように型番から世代と性能を読み取ることができる。
AMDのRadeonについて
2台ブランドの一つであるAMDのRadeonはハイエンドクラスの層がGeForceよりも貧弱だった。
2018年に入りハイエンドシリーズRadeon Ⅶをリリース。GeForce RTX2000に近い性能と言われ、新世代のPCI Express 4.0にも対応している。Ryzen3000シリーズではX570チップセットにも対応している。
AMDのグラフィックボードは
新世代 RX5000シリーズ
旧世代 RX500シリーズ
に分けられる。
型番から性能や世代を把握することができる。
Radeon RX5700 XT
AMDのRadeonは桁数に注目する。桁数が多ければ世代が新しいということになる。
5700は4桁
570は3桁
570で5700のほうが世代が新しいとわかる。
2桁目以降が性能を表している。
5700であれば700
570であれば70
この数値が高ければ高いほど性能が高いことを意味する。
XTと記載されているのはクロック性能を強化したモデルという意味。ハイエンドクラスのRadeon Vegaシリーズは数字が大きければ性能が上ということになる。
グラフィックボードの長さに気をつける
PCケースの中にグラフィックボードを入れるわけなので、ケースに収まりきれなければ意味がない。
グラフィックボードは性能だけでなく、大きさも重要。高性能なGPUを冷却するためにファンが2つも3つもついているものがあるが、その分だけサイズが大きくなっている。デカすぎるとケースに収まらない。
micro ATXやMini ITXのケースは内部の空間が狭くなっているので、事前に説明書を読み、グラフィックボードの入るサイズを把握しておく必要がある。搭載可能なサイズはケースのスペック表に記載されている。