CPUは多くの作業をこなすため大きく発熱する。冷却しなければ、あっという間に100℃以上になってしまう。
そこで、CPUを冷却するためのCPUクーラーが必要になる。CPUクーラーにはいくつかのタイプがあるのでここで理解しておこう。
CPUに付属することが多い
CPUクーラーは、購入した際にCPUに付属してあることが多い。オーバークロックなどをしない場合にはリテール(純正品)クーラーで十分だろう。
CPUにリテールクーラーが付属してあるものもあるが、付属していないものもある。intel・AMDともに、リテールクーラー付属のCPU、付属しないCPUがある。
クーラーなしモデルintelの「K」Ryzenの「X」
intelでは「K」のついているモデルはリテールクーラーが付属していない。消費電力が大きく、ユーザーが自前のクーラーを準備することを想定しているためだ。
AMDでは第1世代Ryzenの「X」つきモデルには、リテールクーラーが付属されていなかったが、第2世代や最新の第3世代のRyzenにはリテールクーラーが付属している。
Intel Core XシリーズやRyzen Threadripperシリーズにはリテールクーラーは付属していない。発熱量が異常に大きく、リテールクーラーではなく、別売りのクーラーを準備することが推奨されているからだ。
通常の使用なら空冷によるリテールクーラーで十分である。後から交換することも可能で、気に入った物があれば交換することができる。リテールクーラーで冷やしきれない場合には、水冷クーラーを購入しよう。
AMDは、CPUによって付属するリテールクーラーが異なっている。Ryzen9やRyzen7には、LEDのついた豪華なリテールクーラーが付属する。他のRyzenにはLEDがついていない。
CPUクーラーの形状
CPUクーラーは冷却方式の違いにより、空冷と水冷に分かれる。
空冷式のCPUクーラーは、ファンを使って空気の流れをCPUに当てて冷却する方式。扇風機のようなものである。
水冷式のCPUクーラーは液体を使ってチューブを通してCPUの熱を排出する方式。
空冷型のCPUクーラーは、二つの形式がある。
- トップフロー型
- サイドフロー型
サイドフロー型
サイドフロー型が自作パソコンでは最も使われることが多いクーラーである。
他のパーツと干渉することはなく、大型のファンを使うことができる。ケースの前面から背面に空気を通すことができてエアフローを改善することができる。
コストパフォーマンスにすぐれ手が出しやすいモデルが多い。ファンが大きくなると冷却能力が高まる。
トップフロー型
トップフロー型のクーラーは、CPUに直接風を当てて冷却するタイプ。リテールクーラーもこの形である。CPU周辺のパーツにも風が当たり冷却することができる。
簡易水冷型
簡易水冷型は液体を使ってCPUを冷却するタイプのクーラー冷却した液体をCPUに当てて熱を排出する仕組み。
CPUから離れた場所に設置することができ大型化も可能になる。空冷のクーラーに比べて冷却能力が高い。冷却液ははじめから入っていて、取り付けるのも難しくはない。
空冷 | トップフロー型 |
サイドフロー型 | |
水冷 | 簡易水冷型 |
CPUクーラーの取り付け方は、プッシュピン型とバックプレート型の2種類である。プッシュピン方式はCPUを挟むようにマザーボードに取り付けるだけ。バックプレート方式は、マザーボードに設置用のプレートを取り付けてクーラーを固定する。
クーラーとケースの大きさをチェック
CPUクーラーで大切なのはサイズである。最近のパソコンはmicroATXやMini-ITXなどの小型形状のパソコンが増えている。
コンパクトなパソコンは内部が狭くなっており、CPUクーラーが入りきれない場合がある。コンパクトなパソコンになればなるほど、入れられるCPUクーラーの大きさは制限される。
そのため、ケースを購入する際には、CPUクーラーのスペースを考慮する必要がある。
簡易水冷クーラーでは、ラジエーターが搭載できるかを確認する必要がある。ラジエーターには120mm~360mmまであり、購入する前には注意が必要だ。