自作PCのケースは見た目以上に重要な要素で、搭載できるマザーボードやグラフィックボードが左右されます。
マザーボードやケースはフォームファクタと呼ばれる規格に従うため、いろいろなメーカーのパーツを購入しても互換性の問題が起こらないようになっています。自作パソコンを作るとき最初に決めるべきなのがケースです。
フォームファクタが決まると、パソコンの大きさマザーボードの大きさが決定され、搭載できるパーツの数も明確になるのです。
◆マザーボードのサイズ
ATX | 305mm×244mm |
microATX | 244mm×244mm |
M-ITX | 170mm×170mm |
マザーボードのサイズが大きくなれば必然的にケースサイズは大きくなります。同じフォームファクタでも、大きさは製品より異なります。
ATX
ケースの内部が広く密度が低い冷却性が高い。CPUクーラーや電源ユニットの冷却ファンの音を押さえられる。
拡張性が高く後からパーツを増設することも可能。重く大きいので置き場所選びが大変。
microATX
ATXに比べると拡張性が少し劣るが一般的な用途では充分なスペック。
ドライブの追加スペースが少ない傾向があるので、ハードディスク・SSDは初めから大容量のものを搭載するとよい。
M-ITX
小型ケース用。サイズが小さいので拡張性に乏しい。
電源ユニットやグラフィックボードが小型でなければ入らないことが多い。ケース内部が狭いためにサイズを考えたパーツ選びで頭を使う。
グラフィックボードについて
横幅の広いタワー型の場合、大きめのビデオカードを搭載できるが、スリム型になるとロープロファイルというプラケットに対応したグラフィックボードしかつけられない。
最近では小型のグラフィックボードも出ている。
ATXのケースにmicroATXマザー
ATXのケースにはmicroATXのマザーボードを取り付けることができる。逆に、microATX・M-ITXの小型ケースにATXのマザーボードは組み込めない。
大型ケースに小型マザーの組み合わせは、コストダウンになり、ケース内部が省スペース化が図られ、エアフロ-がよくなるのはメリットだが、拡張性が低い。パーツを増設する予定がなければこれでもよい。
ドライブベイについて
ケースのドライブベイには3.5インチと5インチの2種類があり、ハードディスクやカードリーダーは3.5インチベイに、光学ドライブは5インチベイに取り付ける。SSDの普及によって、2.5インチベイを搭載するケースもある。
ドライブ装着は一般的にはネジ止めで行うが、着脱しやすい専用の留め具を使うものがある。ケース前面にUSBやeSATAなどの端子があるかどうかも購入前にチェックするポイントになる。
小型ケースについて
数年前までcorei7のようなハイエンドCPUでは発熱と消費電力が大きいためにATX規格のケースに搭載するのが常識だった。
CPUの消費電力の削減が進んだことにより、ハイエンドCPUでも小型PCに組み込めるようになった。
パソコンケースはデザインを決定する重要な要素になる。外見などどうでもいいという人もいるが、パソコンのケースは毎日見ることになるのでケースのデザイン選びも意外と重要である。
愛着がわくので、ケースの機能とデザインの両面から考えたい。あまりにも奇抜なものを選ぶと飽きる可能性もある。
パソコンケース選びは意外と重要。ケースの大きさ・マザーボードのサイズ・デザインまで納得するまで計画を練ってください。