TSUKUMOは1947年創業、PCパーツ専門店として長く続いてきた老舗だ。パソコン本体だけでなく個々のパーツ知識を蓄積してきた歴史があり、その知見がBTOパソコンの設計にも生きている。
マザーボードや電源ユニットまで市販品で揃える構成を取っており、スペック表に載りにくい「見えないパーツ」まで市販品で揃えている点が口コミでも繰り返し評価されている。将来、パーツを増設・交換したい人に、構成の透明性は大きな安心材料になる。
ツクモのBTOパソコンは、全国の自社工場での国内生産にこだわっている。
標準1年保証に加えて延長3年保証をオプションで選べるほか、パーツ単位での交換・修理サービスも用意されており、自分でパーツ交換の相談ができる独自サービスがあると評判だ。無償でパーツのアップグレードが受けられたという口コミもあり、サポート体制への信頼は高い。
商品ラインナップは2本柱になっている。ゲーミングPC専門の「G-GEAR」と、スタンダード・クリエイター・ワークステーション向けの「eX.computer」だ。
G-GEARはプレミアムミドルタワー、ミニタワー、コンパクト、ピラーレス、White Editionといった形状・デザインのバリエーションが豊富で、ASUSとのコラボモデルも展開している。
eX.computer側は用途別にスタンダードPC、クリエイターPC、ワークステーション、用途別モデルと細かく分かれ、ビジネス用途から専門職向けの高性能機まで幅広くカバーする。
親会社がヤマダ電機であることも強みに直結している。全国のヤマダ電機店舗網を通じたサポートが受けられ、初めてBTOパソコンを買う人でも店頭で相談しやすい。実際に「店員が親切で、BTOパソコンを使ったことがない自分にも丁寧に教えてくれた」という声がある。
弱み
エントリークラス〜ミドルクラスの選択肢が相対的に弱いという指摘がある。TSUKUMOはハイクラス構成に強みを発揮する一方、手頃な価格帯のラインナップは他社ほど豊富ではない。予算を抑えたい初心者には、選べる幅が狭く感じられるかもしれない。
在庫の変動も無視できない。時期によっては人気モデルが欠品することがあり、G-GEAR AimやWhite Editionのような一部のコンセプトモデルが品切れになっていることもある。欲しいモデルが決まっているなら、在庫状況は事前に確認しておいた方がいい。
初期不良への対応で不満の声も見られる。起動直後に電源が落ちる不具合に遭遇し、修理対応になったという報告があり、相性問題や個体差が完全にゼロというわけではない。これはBTOパソコン全般に言えることではあるが、受け取り後は早めの動作確認が欠かせない。
送料も別途発生する。本体価格だけで判断せず、送料を含めた総額で他社と比較する必要がある。
購入の流れ
BTOパソコンなら、G-GEARとeX.computerのどちらを選ぶかで、入口が変わる。ゲーミング用途ならG-GEAR、ビジネス・クリエイティブ・業務用途ならeX.computerという住み分けだ。
eX.computer
BTOパソコンなら、G-GEARとeX.computerのどちらを選ぶかで、入口が変わる。ゲーミング用途ならG-GEAR、ビジネス・クリエイティブ・業務用途ならeX.computerという住み分けだ。

eX.computerは、スタンダードPC、ゲーミングPC、クリエイターPC、ワークステーション、用途別モデルというメニューから入り、モデルを選ぶ。サイト上からパーツ構成の変更ができ、CPUやメモリ、グラフィックスだけでなく電源ユニットやサウンドカードまで変更できる自由度の高さが評価されている。
G-GEAR

黒を基調としたページのG-GEAR側は、プレミアムミドルタワーモデルを中心に、Intel・AMD・GeForce RTX 5090搭載モデルといったCPU・GPUの系統別に一覧表が用意されており、同じケース・マザーボードでCPUとグラフィックスの組み合わせを比較しながら選べる構成になっている。
標準1年保証が付帯し、延長3年保証をオプションで追加できる。
注目のセール・キャンペーン

TSUKUMOは週末ごとに「週末SALE」を展開しており、対象モデルが期間限定価格になる。ノート・モバイルPCの週末セールのように、カテゴリを絞った集中セールが組まれることもある。
メーカー単位のキャンペーンも頻繁に行われる。NVIDIA「CONTROL Resonant」バンドルキャンペーン、AMD「Way of the Sword」ゲームプレゼントキャンペーンなど、対象パーツやBTOパソコンの購入特典として人気タイトルが付くキャンペーンが定期的に展開されている。
Intel Japan 50周年のような記念キャンペーンも実施されており、対象製品購入で豪華賞品が当たる企画も見られる。セールのタイミングとキャンペーン対象パーツが重なれば、通常より特典を得やすい。
週末セールの注意点
ツクモに限った話ではないが、「週末SALE」のようなキャンペーンは、落とし穴もある。
注意したいのが、安さに釣られて意に沿わないモデルを買ってしまうことだ。週末セールは期限が短く、「今買わないと損をする」という気持ちが先に立つ。
動画編集用にCPU性能を重視したいのに、セールで目立っていたのがグラフィックス重視のゲーミングモデルだった、というようなミスマッチは珍しくない。安いから買う、ではなく、望んだ用途に沿っているかを先に固めておく方が結局は得をする。
もう一つ見落としやすいのが、規格だ。セールで安くなっているパーツやPCが、今使っている環境と規格が合わないことがある。メモリの世代(DDR4とDDR5)、CPUソケット、マザーボードのフォームファクタ、ディスプレイの接続端子など、価格だけを見て飛びつくと、いざ届いてから既存のパーツと合わないという事態に陥る。手持ちの構成と規格が一致しているか、確実に確認してから購入した方がいい。
セール品を見る前に、まず自分の用途に必要なスペックの下限と、今の環境で使える規格を決めておき、その条件で絞り込んでからセール対象を確認する。この順番にした方が失敗を避けやすい。
「◯台限定」「完売御礼」など踊る文字に心が揺さぶられるのはわかる。だが、価格に飛びつく前に、落ち着いて、用途に沿っているか、規格が合っているか、見直す余裕が欲しい。
TSUKUMOが力を入れているポイント
TSUKUMOがもっとも力を入れているのは、パーツ単位での情報開示だ。使用パーツの情報を積極的に開示しており、マザーボードやCPUの性能比較、無線(Wi-Fi)編、メモリの速度編といった解説コンテンツまで用意している。スペックだけを並べるのではなく、なぜそのパーツを選んだのかを説明する姿勢が、他のBTOショップとの違いになっている。
G-GEARブランドの作り込みも特徴的だ。プレミアムミドルタワーケースは、ガイセモン氏とのタッグによるデザイン、エアフロー重視のレイアウト、大型メッシュパネルを採用し、拡張性と静音性の両立を狙っている。動画編集者によるレビューをYouTubeで公開するなど、実際の使用感を第三者の目線で見せる取り組みも行っている。
eX.computer側では、クリエイターPC・ワークステーションそれぞれに専門スタッフが構成を監修しており、用途別に「生産性を高めるAI機能搭載Copilot+ PC」のような具体的な訴求も行っている。元研究者を名乗るVtuberによる構成レビュー企画のように、専門性と親しみやすさを両立させた情報発信も見られる。
買い替え時の下取りサービスや、パーツ単体での買取・査定サービスも用意されており、PCを長く使い続ける前提での顧客との関係づくりに力を入れているのがよくわかる。
中古PC
TSUKUMOは中古パソコンにも力を入れているが「中古パソコン」ではなく、再生品パソコンというカテゴリ名になっており、「メーカー再生品」と「リファービッシュ」が中心になっている。

メーカー再生品とは、NECなどのメーカーが自社工場で整備し直した正規の再生品を指す。商品のほとんどがNEC製(PC-N・PC-Sで始まる型番)で、Core Ultra 5・7やRyzen 7 7735Uといった比較的新しい世代のCPUを積んだモデルが並ぶ。中古とはいえ、メモリ16GB・32GB、SSD512GB・1TBという構成が標準的で、型落ちの型落ちといった極端に古いモデルではない。
絞り込み機能も新品の検索と同じ水準で用意されている。CPU名称(Ryzen 5・7、Core Ultra 5・7、Core i5・i7)、CPU型番、Officeソフトの有無、ストレージ容量、ディスプレイサイズ、プリインストールOS(Windows 11 Home/Pro)、メモリ容量、無線LAN規格まで条件を絞り込める。中古品だからといって情報が粗くなることはなく、新品同様の精度で選べる。
価格帯も分かりやすい。1万円台〜20万円台まで、1万円刻みに近い細かさで絞り込みができ、予算に合わせて探しやすい。「24時間以内に出荷」の商品には明示的なラベルが付き、急ぎで欲しい人はそこから選べばいい。
だが、注意も要る。「在庫なし」の表示が多く、中古品ゆえ一点物に近い性質が出ている。煽るわけではないが、気になるモデルを見つけたら、すぐ確保しないと間に合わない。また「新品」ラベルが付いた商品も混在しているので、本当に中古・再生品かどうかは商品名の「メーカー再生品」「リファービッシュ」という表記で見分ける必要がある。
パーツショップとしてのTSUKUMO
BTOパソコンの話ばかりしてきたが、TSUKUMOの本来の姿はPCパーツ専門店だ。自作PCユーザーにとっては、ここがむしろ本丸になる。
商品カテゴリを見ると、インテルCPU・AMD CPU、メモリ・USBメモリ・SDカード、内蔵SSD・HDD・ドライブ、マザーボード、グラフィックボード、ケース、電源、キーボード・マウス・周辺機器、無線LAN・ネットワーク機器と、自作PCに必要なパーツがひと通り揃っている。パーツ単体で1個から購入・返送買取にも対応しており、BTOで完成品を買うのとは別の、部品単位での付き合い方ができる店だ。
人気商品ランキング
便利なのが、カテゴリごとの人気商品ランキングだ。CPU・グラフィックスカード・SSDそれぞれでランキングが公開されており、今どのパーツが選ばれているかを一目で把握できる。自作PCの構成を考えるとき、何を基準に選べばいいか迷いがちだが、ランキング上位から検討すれば大きく外すことは少ない。

G-GEAR側でも、人気ランキング・クリエイター人気・シリーズ別人気が公開されており、BTO完成品の構成を自作PCのパーツ選びの参考にするという使い方もできる。
パーツ情報
もう一つの強みが、パーツ単体の情報発信だ。マザーボードやCPUの性能比較、無線(Wi-Fi)規格の違い、メモリ速度の違いといった解説コンテンツを公開しており、スペック表の数字だけでは判断しづらい部分を噛み砕いて説明している。自作PC初心者が「このパーツで何が変わるのか」を理解する入口として使える。
実物確認
普通のBTOショップは、オンライン完結が基本だ。だがTSUKUMOはここが大きく違う。実店舗網がちゃんと存在する。

店舗は東京・大阪・名古屋・福岡・札幌に展開。東京には「パソコン本店/II」「TSUKUMO eX.」「パソコン本店リユース館」の3店舗がある。
ネット通販の主力であるeX.computerやG-GEARを、現物を見ながら相談できる。大阪には「ツクモLABI1なんば店」、名古屋には「ツクモ名古屋1号店」「TSUKUMOデジタル・モバイル館」、福岡には「ツクモ福岡店」、札幌には「DEPOツクモ札幌大谷地店」がある。
店舗ごとに得意分野が分かれているのも特徴だ。「TSUKUMO eX.」は秋葉原発祥のPC専門ショップで、オンラインショップ「eX.computer」の実店舗版という位置づけ。上級者向けのカスタムパソコンから、G-GEARのゲーミングPCまで取り扱っている。
「パソコン本店リユース館」は中古パソコン専門で、Windows搭載パソコンから、iPhoneの中古品やジャンク品まで扱う。再生品・中古PC目当てなら立ち寄るべき店舗だ。
「ツクモデジタル・モバイル館」はスマホ・モバイル中心で、PCショップとは毛色が違う。
この実店舗網があることで、パーツショップとしての強みがさらに活きてくる。「ネットで調べたパーツを実店舗で実物確認してから買う」という動き方が、具体的な店舗を挙げて実践できる。ケースやマザーボードのような、サイズ感や質感を手に取って確かめたいパーツでは、この選択肢は大きい。
PCの組み立て代行サービスや、商品取り置きサービスも用意されている。各店舗のblogでは特価品情報が随時更新されており、店舗ごとの在庫処分品を狙うという楽しみ方もある。
まず人気ランキングで今の相場観を掴み、気になるパーツは解説コンテンツで仕組みを理解し、可能なら店舗で実物を確認してから購入する、という流れが上手い使い方だ。
BTOで完成品を買うにしても、そのベースにどんなパーツが使われているかを先にパーツショップ側で調べておけば、G-GEARやeX.computerのモデル選びの判断材料にもなる。BTOとパーツ単体、両方を同じ店で完結できるのが、TSUKUMOならではの強みだ。
