ここまで2進数・16進数という「データの表現方法」を見てきたが、今回はいったん数字から離れて、パソコンを実際に動かしている電気そのものの基礎を整理する。ケースを開けて自作PCを組む以上、この4つの用語は避けて通れない。
水道管で例えるとわかりやすい
電気の性質は、水道管を流れる水にたとえるとイメージしやすい。蛇口をひねって水を出すとき、水は「押し出す力(水圧)」によって管の中を流れ、「単位時間あたりにどれだけの水が流れるか(流量)」があり、管が細かったり曲がっていたりすれば「流れにくさ(抵抗)」が生まれる。電気回路もこれとまったく同じ構造で説明できる。
電圧・電流・抵抗・ワット
電気を押し出す力にあたるのが電圧で、単位はボルト(volt)だ。この単位名は、電池を発明したイタリアの科学者アレッサンドロ・ボルタ(Alessandro Volta)の名前に由来している。
電気が流れるときに生じる「流れにくさ」にあたるのが抵抗で、単位はオーム(ohm)。これはドイツの物理学者ゲオルク・オーム(Georg Ohm)の名にちなむ。水道管が細ければ細いほど水が流れにくくなるのと同じように、抵抗が大きいほど電気は流れにくくなる。
単位時間あたりにどれだけの電気(正確には電荷)が流れているか、つまり水でいう流量にあたるのが電流で、単位はアンペア(amp、正式にはampere)。フランスの物理学者アンドレ・マリー・アンペール(André-Marie Ampère)にちなんで名付けられた。
そして電圧(押し出す力)と電流(流れる量)を掛け合わせたものがワット(watt)、つまり回路が使う電力にあたる。単位名は蒸気機関の改良で知られるスコットランドの技術者ジェームズ・ワット(James Watt)に由来する。
| 用語 | 単位 | 単位名の由来 | 水道管での例え |
|---|---|---|---|
| 電圧 | ボルト(V) | 科学者ボルタの名 | 水を押し出す力(水圧) |
| 電流 | アンペア(A) | 物理学者アンペールの名 | 単位時間あたりの水の量 |
| 抵抗 | オーム(Ω) | 物理学者オームの名 | 管の細さ・流れにくさ |
| 電力 | ワット(W) | 技術者ワットの名 | 水圧×流量で決まる仕事量 |
回路が開いているときと閉じているとき
家庭用のコンセントには常に電圧がかかっているが、何もプラグを挿していない状態では電流は流れていない。これは、蛇口の元栓は開いていても、先の管がどこにもつながっていなければ水が流れ出さないのと同じ状態だ。家電製品をコンセントに挿すことで回路が一つにつながり、そこではじめて電流が流れ始める。
もしコンセントの穴に指を入れてしまえば、自分の体が回路の一部になってしまい、電気がその中を流れることになる。人体は電気を通しにくい(絶縁性が高い)わけでも、逆に理想的な導体でもないため、流れた電気は体にとって不快な刺激、つまり感電として感じられる。
このとき感じる衝撃の強さを決めるのが、まさに回路のワット数だ。当然だが、これを実際に触れて確かめる必要はない。
次回はAC電源とDC電源
電気の基本用語が押さえられたところで、次回はコンセントから来る電気(AC)と、パソコンの内部が必要とする電気(DC)がどう違うのか、そしてなぜその変換が必要なのかを見ていく。



