BTOパソコン、カスタムPCを扱う「ストーム」は、コストパフォーマンスに優れた製品をラインナップする。BTO(Build to Order)方式でユーザーの要望に合わせて最適な構成を実現できる点が大きな特長だ。
BTOパソコン・カスタムPCのストームとは
デスクトップタワー型からキューブ型、省スペースモデルまで、さまざまなフォームファクターを用意している。ゲーミング向けのスペックや、アルミボディを採用したハイクオリティなモデルも選べる。LinuxPCやサーバー・ワークステーション向けのカスタマイズも可能だ。
BTO方式ならCPUの性能や、メモリ、ストレージの容量などをユーザーが自在に選択できる。ゲームのためにグラフィックカードを強化したり、お気に入りのPCケースを設定するなど、こだわりの詰まったマシンに仕上がる。
ストームはメモリやSSDにファーストベンダー製品を採用。80PLUS認証ゴールドの高効率電源を標準搭載するなど、安定動作を重視している。メモリやSSDといった主要パーツにこだわり、負荷の高い動作でも問題なく動作する製品を提供する。
実店舗はなく、ネット通販専門のBTOパソコンメーカーだ。さまざまな要望に応えられるカスタマイズ性の高さが最大の魅力となっている。
注文から出荷までの流れ
BTOパソコンの注文から出荷までの流れは以下の通りだ。
ウェブサイトで構成をカスタマイズ、オプションを選び注文フォームに情報を入力。注文ボタンを押して発注する。疑問点があれば問い合わせを。
注文が営業日の15時までにあれば当日営業として受け付ける。支払い方法を確認し次第、注文を確定する。不備があれば連絡する。
注文内容に基づき部材を調達し、在庫からピックアップ。営業日に組み立て作業を開始する。問題があれば連絡する。
組み立て後、検査項目に沿って営業日に動作検査を実施する。問題があれば連絡する。
検査をパスした製品を営業日に出荷する。送り状番号など出荷情報をメールで連絡する。
BTOパソコンはユーザーの注文を受けて一台ずつ製造される受注生産方式だ。注文から出荷までの各ステップをストームが適切に管理し、製品を届けている。
安心サポート追加パック~安心の修理サポートサービス
安心サポート追加パックとは、BTOパソコン購入時に追加料金を支払うと、無償保証期間終了後の2年間、修理に発生する技術作業料をストームが負担するサービスだ。
通常は無償保証期間の1年が過ぎると、修理時に基本料5,500円と交換部品の代金に加え、技術作業料5,500円(マザーボード交換の場合)が必要となる。しかし追加パックに加入していれば、技術作業料がかからず、部品代金のみの支払いで済む。
例えばマザーボードを交換する場合、通常なら基本料5,500円+作業料5,500円+部品代8,000円の合計19,000円かかる。一方、追加パックを契約していれば、部品代8,000円のみで修理が受けられる。
期間内の修理に発生する作業料の心配がないため、BTOパソコンを長く安心して使えるメリットがある。小規模な修理なら追加費用を抑えられるうえ、大がかりな修理でも作業料の支払いは不要となる。
保証の概要
ストームのBTOパソコンには初期不良期間14日、無償修理保証期間1年が設けられている。保証開始日は保証書記載日となる。安心サポートに加入すれば、無償期間経過後の2年間、修理費用の一部をストームが負担する。
修理は全てセンドバック方式で、お客様からパソコンを送付してもらい、ストームで修理を行う。初期不良期間中は往復の送料をストームが負担、無償期間中は片道分のみストームが負担する。それ以外の有償修理や有料サポートの場合は、送料はすべてお客様の負担となる。
BTOパソコンはBuild to Order方式の受注生産品のため、いかなる理由があってもご購入後の返品は不可能だ。よく検討した上で注文・購入しよう。
ストームでは初期不良や無償期間内の不具合に対応するため、一定の費用負担と対応を約束している。一方で、受注生産品のため返品は受け付けられないため、購入前の確認が重要となる。
では、どんなモデルがあるのかみていこう。
人気ゲーミングモデル「幻界」
BTOパソコン専門のストームから、MSIの高品質パーツを使ったハイパフォーマンス・高信頼の「幻界」モデルが登場した。
前面と側面にガラスを使い、天面にも特徴的な形状を採用したスタイリッシュなケースが目を引く。背面でコネクタ類をまとめたマザーボード構造により、内部が非常にスッキリ。エアフローにも優れている。
ストーム限定のメモリカバーを装備し、大型液晶を内蔵した水冷ユニットを搭載。画像やビデオの再生が可能だ。無線LAN/Bluetoothにも対応する。
4基のRGBファンは連携しており、ケースのボタン操作で発光パターンを変更できる。長押しで消灯もできるなどの機能性も折り込まれている。
価格は low ~ highエンドとラインナップが揃い、本体サイズは235x440x405mmとコンパクトながら十分な拡張性を確保した。ハイパフォーマンス性と洗練されたデザイン性を兼ね備えたゲーミングPCといえるだろう。
MSIの高品質パーツを採用しながら、ストームのこだわりも随所に盛り込まれた注目の新モデルだ。見た目の美しさと実用性を両立させた、BTO筐体の新たな到達点ともいえる。
次世代モデル「新界2」の特長
BTOパソコンメーカー・ストームの新製品「新界2」は、人気の鏡界シリーズを上位グレードにブラッシュアップした上級モデルだ。
最大の特長は、MSIプロジェクト・ゼロによる背面コネクタ搭載のマザーボード採用。国内初の試みで、各種ケーブル類をリアパネルに集約させることで、内部を非常にすっきりとさせている。結果としてエアフローの向上にも貢献し、高い冷却性能を実現した。
ストーム限定のメモリカバーを備え、大型液晶ディスプレイ内蔵の水冷ユニットを搭載する。画像・動画の再生が可能で、無線LAN/Bluetoothも標準サポートする。
ケースには4基のRGBファンを連携して搭載し、LEDボタン操作で発光パターンを自在に変更できる。長押しで消灯する機能も用意された。
価格はローからハイエンドまでをカバーし、本体サイズは220x440x455mmとコンパクト。鏡界シリーズの上を行く拡張性と高性能を約束する。
背面コネクタマザーボードの採用で内部の見映えと冷却性を両立。各種の拡張デバイスにも対応するなど、ゲーミング志向の上級モデルに求められる条件を備えた次世代BTOパソコンだ。
デザイン性と機能性を両立した「鏡界2」
BTOパソコンメーカー・ストームの人気シリーズ「鏡界」の最新モデル「鏡界2」が登場した。フロントとサイドに強化ガラスを採用し、内部の構成を外からもくっきり見渡せる新デザインが特徴だ。
従来の鏡界シリーズではフロントとサイドをつなぐ支柱があったが、鏡界2ではその支柱を無くすことで、270度の広範囲からパノラマ的に内部を視認できるようになった。PCパーツの構成や光の演出をよりダイレクトに楽しめる。
内部構成もグレードアップしている。DDR5メモリ規格に対応し、無線LAN/Bluetoothの性能も強化された。大型液晶を内蔵した水冷ユニットも健在で、画像・動画の再生が可能だ。
ケース前面にはRGBファン4基を搭載し、LEDボタン操作で発光パターンをカスタマイズできる。長押しで消灯も可能となっている。
価格はローからハイエンドまで幅広く、本体サイズは220x440x455mmとコンパクトながら十分な拡張性を持つ。内部を外部から鑑賞するコンセプトを貫いた新デザインが魅力の一つといえるだろう。
鏡界シリーズに新風を吹き込んだ鏡界2は、内部の構成美をストレートに楽しめるゲーミングPCとして、ストームの新たな人気モデルになりそうだ。
ストームの長所と短所
BTOパソコンメーカー・ストームの最大の魅力は、手作りにこだわりながらコストパフォーマンスを追求している点にある。主要パーツにはSSD、マザーボード、メモリ、電源など手堅い上位メーカー製品を選定し、高品質を実現している。さらにアルミボディの採用などケースデザインにも洗練さがあり、スタイリッシュなモデルバリエーションを用意している。
内部の配線も行き届いた手作業で綺麗に仕上げられており、手間をかけた高い手作り品質が窺える。一方でグラフィックボード搭載モデルでも20万円前後と手の届く価格設定になっており、コストパフォーマンスに優れている。価格は税込み表示で分かりやすく、見積もりもしやすい。
こうしてストームはBTOパソコンならではの自由度の高さと、メーカーならではの手作り品質の両立を実現している。そんな魅力がある一方で、小規模メーカーならではの短所もある。
人気の構成が売れ行き好調のため、常に在庫切れとなっているケースが多く、ユーザーが欲しい製品を手に入れにくい状況にある。また、ウェブサイトには製品の詳細情報が乏しく、採用されているマザーボードの型番すら不明確な部分がある。
さらに基本構成にHDDが含まれないなど、付属品が最小限にとどまっており、ユーザー自身でカスタマイズする必要がでてくる。加えて比較的小規模メーカーであるため、大手に比べてサポート体制が手薄になる可能性も危惧される。
年末年始などの大型セールがほとんど組まれていないため、ユーザーが割安感を感じづらいのも欠点の一つだろう。
こうした短所は小規模メーカーならではの事情から来るものだが、結果としてユーザーニーズとのミスマッチが一部で生じているのが現状だ。
まとめ
BTOパソコンメーカー・ストームは、主要パーツに上位メーカー製品を採用し、手作業による高い組立品質を誇る。ケースデザインにも洗練さがあり、スタイリッシュなアルミボディモデルなども用意されている。
20万円前後から購入可能なグラフィックボード搭載モデルもあり、コストパフォーマンスに優れている。BTOパソコンの自由度の高さと手作り品質を両立させた製品群と言えるだろう。