中古パソコンを購入する際、「初期設定済み」と記載されていると安心できるかもしれない。
しかし、中古品ならではの注意点があるので、しっかりとチェックしていこう。
中古パソコンの「初期設定済み」とは
「初期設定済み」、と記載されいる中古パソコンとはそもそも何なのだろうか。
初期設定済みのパソコンとは、前の所有者のデータを完全に消去し、OSをクリーンインストールした上で、基本的な設定を行ったものである。
具体的には、OSの再インストール、不要なソフトウェアの削除、動作チェック、最新の更新プログラムの適用などが行われている。あたかも新品の状態で出荷されたかのように、きれいな状態に整えられている。
ただし、このような手順を経ていても、細かいところで不具合が残っている可能性は否めない。そこで、中古パソコン購入後に最初にやるべきことは何なのだろうか?
まずは外観だ。傷や変形、欠損がないかをしっかり見る必要がある。型落ちの新品同様と状態が良いものもあるが、落下のあとがあれば内部も破損している可能性もある。
次に電源を入れ、正常に起動するかどうかを確かめる。異音がないことも大切なポイントで、この時点で起動できないようであれば、すぐに購入店に連絡しなければならない。
その後、CPU、メモリ、ストレージなどの搭載状況を確認する。付属品が全て揃っているかも見落とさずにチェックしよう
インストールされているOSのバージョンや、ソフトウェアのライセンス状況も重要である。古いOSが入っていたり、ライセンスが不明の場合は注意が必要だ。
初期設定済みの中古パソコンはすぐ使えるのか
中古パソコンを「初期設定済み」と記載されていれば、購入後、到着後すぐに使えるようにはなっている。
信頼できるリサイクルショップやメーカー直営の中古品販売店では、通常すぐに使えるようにされているため、届いたらすぐに使える。
一方、個人売買や一部の中古品販売店の場合、前使用者のデータ消去や設定がされていないことがある。こういった場合は、OSの再インストールや初期設定が必要になる。
つまり、「初期設定済み」と記載されていても、実際にすぐに使えるかどうかは販売店によって異なるのが実情だ。購入前に、きちんと「初期設定の有無」と「すぐに使えるか」を確認する必要がある。
初期設定済みで購入できれば手間は省けるが、自分で設定できる技術があれば、あえて初期設定されていない安い製品を選び費用を抑えるのも手だ。
初期設定済みでも不安?
中古パソコンが初期設定済みであっても、安心できるとは限らない。
マルウェアやプライバシー情報を完全に消去し、OSをクリーンインストールするなど基本的な設定を行ったものとされてはいるが、「初期設定済み」という言葉に統一された定義などない。どのレベルまで設定されているのかはショップに任されている。
そのため、以下ような不安点が考えられる。
- マルウェア/スパイウェアの潜在的な感染リスク
前の所有者がマルウェア感染のパソコンを適切に処理せずに販売した可能性がある。初期設定済みでも、悪意のあるソフトウェアが残っているかもしれない。
- プライバシー侵害の可能性
前の所有者の個人データが完全に消去されていない場合、機密情報が流出するリスクがある。
- ハードウェア不具合の見落とし
初期設定作業時に、ハードウェアの不具合を見逃している可能性がある。
- 設定のカスタマイズ制限
初期設定済みだと自分の用途に合わせてカスタマイズしにくい。
- 設定内容が不透明
どのような設定が行われているのか不明確な場合がある。
- セキュリティ上のリスク
OSやソフトが古いバージョンで脆弱性があったり、セキュリティソフトがインストールされていない可能性がある。
- トラブル発生時の責任の所在
初期設定によるトラブルの場合、販売店が責任を負ってくれるか不透明なケースが多い。
- データの残存
前の所有者のデータや個人情報が残っているかもしれない。
こういった不安が嫌なら、信頼できる販売元から購入したほうがいい。また、自分で初期設定を行うほうが確実だ。
「初期設定済み」の中古パソコンでも、念入りなチェックが不可欠だ。自分で対応できそうにないなら、信頼できるサポート付きの中古PCを探すのが賢明だろう。
SSD交換する?
中古パソコンを購入した後、初期設定に不安がある。ならSSDの交換やフォーマットすればいいのではと考える人もいるだろう。
SSDを新品に交換すれば、前所有者のデータを完全に消去できる。新品のSSDなので、マルウェアなどの脅威も排除できる。さらに、パフォーマンスも向上する利点があるが、一方でコスト増となり、作業も面倒だ。
SSDをフォーマットする方法もある。データを確実に消去でき、マルウェアの一部を削除できます。作業も比較的簡単だ。
しかし、ファームウェアレベルでの脆弱性は残り、物理的な不具合は解決できない。マルウェアの一部が残る可能性はある。
それでも、中古パソコンのセキュリティを万全にするには、SSDの交換が最も確実な方法ともいえる。SSD交換は面倒だが、不安がない分、安心できるかもしれない。
初期設定
中古パソコンを購入した際、まずは初期設定を行う必要がある。適切な初期設定を経ることで使用できるようになる。
一般的な初期設定の流れは以下の通りだ。
このように、中古パソコンの初期設定には多くの作業が伴うが、手順を追えば新品同様の状態で使用できるようになる。CPUのスペックや付属品の状態なども事前に確認しておくと、安心できるだろう。
初期設定の後
初期設定済みの状態で販売されているパソコンなら、基本的な設定がされた状態だ。
Windowsのセットアップ、ドライバのインストール、セキュリティソフトの導入などの作業が済んでいる状態だ。しかし、個人の用途に合わせた細かな設定は当然行われていない。
まずは自分の用途に合わせてカスタマイズする必要がある。
主な作業は以下の通りだ。
アカウント設定、プライバシー設定、デスクトップ環境の変更など、自分好みに合わせて設定。
オフィススイート、メールクライアント、ブラウザなど、作業で必要なソフトウェアをインストール。
以前のパソコンからデータを移行する場合は、この段階で行う。クラウドストレージを利用するのも良い。
中古PCの場合、マルウェアが残っている可能性があります。アンチウイルスソフトを追加でインストールし、フルスキャンを実施。
付属のドライバがやや古い場合があるため、メーカーサイトから最新のドライバをダウンロードし、インストールするといい。
このように、中古PCの初期設定品でも追加作業が必要だ。自分に合った環境に設定を変更しつつ、セキュリティ面にも気を配ろう。時間はかかるが安心して使えるはずだ。
インターネットに接続されている状態で初期設定を行うと、ソフトウェアアップデート などが行われる。時間がかかるので時間に余裕を持って行っていこう。
まとめ
初期設定済みの商品ならすぐに使い始められるので面倒な人にはおすすめだ。そうでないなら、自力で初期設定を行っていこう。