パソコン性能を左右する重要なハードの一つがディスプレイだ。実際の見え方や扱いやすさも確かめつつ、数値情報から性能やコストパフォーマンスを判断する指標も確認していこう。
大きな画面は迫力がある一方で、発熱や消費電力が増えるデメリットもある。
目安として27インチ程度までは扱いやすさとのバランスがいいかもしれない。 解像度はフルHDから4Kまで用途に合わせて選んでいこう。
そのほかにも、リフレッシュレート、応答速度、視野角、色域などの数字も比較参考になる。実機を見て画質感や扱いやすさを確かめながら、性能と予算のバランスの取れた選択を心がけたいところだ。
ディスプレイの大きさ
ディスプレイが大きいことで起こりうるデメリットとして、以下の点が考えられる。
大きなディスプレイは製造コストが高く、結果として製品価格が上がる。また、高解像度に対応しにくく、画面サイズが大きいと、同じ解像度設定では画素が粗くなる。高精細な画像を表示するためには高解像度パネルが必要となり、コストはさらに上がる。
画面が大きい分消費電力は多くなり、電気代が増す。
大きい画面を設置するスペースが必要になる。ディスプレイが大きい分、置くのに広いスペースが必要になる。狭いデスクには設置しづらい。重量が大きくなり、移動させるのが大変になる。画面が大きいため、キーボードから離れて操作することになり、操作性が低下しがちだ。デスクトップPCの場合は扱いづらくなる。
画面サイズが大き過ぎると、画面全体を見渡すのが大変になり、目が疲れやすくなる可能性がある。
ディスプレイ選びのポイント−応答速度の重要性
ディスプレイの性能を左右する要素の一つに、応答速度がある。これは画面の映像が切り替わる際の速さを示す指標だ。単位はミリ秒で、小さいほど応答が速いことを意味する。
例えば、5ミリ秒というのは0.005秒、つまり5千分の1秒以内に色が切り替わるという事になる。この値が大きいと、映像の描画が遅れて映像がほやけるモーションブラーやゴースト現象が発生しやすくなる。
応答速度を重視するシーンとしては、映画やゲームのシーン切り替え時の残像防止や、ウェブページを高速スクロールさせた時の文字のぼやけ防止などが挙げられる。
数値が低ければ必ずしも全ての用途で画質が向上する、というわけではないが、快適な視聴覚体験を得るためにもある程度は気にしたいポイントではある。
解像度
ディスプレイを選ぶ上で最も基本的な指標が解像度だ。これは画面に表示できる画素(ドット)の数を水平と垂直の方向で表したもので、単位はピクセルを用いる。
解像度が高いほど、細かい画像を鮮明に表示できる。文字も鮮明に表示できます。
ただし、解像度が高すぎると文字やアイコンが小さく表示され、見えにくくなることがある。
一般的なディスプレイの解像度には、FHD(1920×1080)、QHD(2560×1440)、4K(3840×2160)などがあり、数字が大きいほど高解像度を表している。
ドット数が増えると 同じ領域内でのドットの数が多くなり、ドットは小さくなり細かくなる。曲線や斜線もドットで表されるため、ドット数が小さいとドット一つ一つは大きくなり、画像全体はガタガタに表現され、ドット数が多くなるとドット一つ一つが細かくなるためなめらかに表現できる。iPhoneでは画素数を多くすることで美しい表示を可能にしている。
解像度が高いほどフルHDの動画再生や写真表示、DTPなどの精細な作業において視認性が良くなるが、消費電力も増えることがデメリットだ。
解像度を上げるとグラフィック処理能力が必要になるため、高解像度に対応したGPUが必要になる。
また、解像度と画面サイズのバランスも重要で、サイズが大きすぎると同じ解像度でも画素が荒くなることがある。用途やブランド・機種によっても適切な解像度が異なる。
ディスプレイの解像度は高いほど画質が良くなるが、コストになる点があることも注意しておこう。