Linuxについて調べようとしても情報は少ない。
LinuxはオープンソースのOSでありながら、WindowsやMacに比べてユーザーが少ないことから、情報入手の難しさが指摘される。
Linuxを専門的に扱う雑誌は「日経Linux」がほぼ唯一であり、また、頻度が少ないため、定期購読するには厳しい。関連するムック本もたまに発売されるものの、やはり本数は多くなく、Linux書籍の高価な価格設定もネックとなっている。
これはLinuxユーザー人口そのものがまだ少なく、Linuxを扱う出版物の需要が限定的であることが背景にあると考えられる。日経Linuxでさえ定価が2,000円と高価で、この価格設定自体がLinuxの需要のなさを証明しているようなものだ。
日経Linuxは本号で休刊になりました。 25年のご愛顧ありがとうございました。 今後も引き続き、関連の書籍やムックをお届けしていきます。
https://info.nikkeibp.co.jp/media/LIN/
Linuxに特化した雑誌が定期購読できるのは「日経Linux」だけであったが、最近発表されたとおり、日経LinuxもLinux2024年1月号をもって休刊となった。
Linuxへの需要自体は着実に拡大しているものの、専門紙としての経営は厳しい状況が続いていたようであり、発行部数が思うように伸びなかった模様だ。残念ながら、需要が十分に見込めなかったための措置であったのだろうと察せられる。
Ubuntuの情報ばかり
Linuxの情報はあっても、Ubuntuの情報ばかりであり、Ubuntu以外のディストリビューションを使用するなら、インターネット上のLinuxユーザーのサイトを探すしかない。
Ubuntu以外のLinuxディストリビューションについては、Ubuntuほど情報が豊富でないことがある。
Ubuntuは人気のあるディストリビューションなので、Ubuntuに関する情報はインターネット上に多く存在する。しかし、他のディストリビューションを使用する人はそれほど多くないので、情報も少ない。
例えば、Arch LinuxやGentoo Linuxといったディストリビューションは、カスタマイズ性が高い反面、セットアップが複雑だ。これらのディストリビューションを使うユーザーはベテランのLinuxユーザーが多いため、その分トラブルシューティングの質問などが、インターネット上の掲示板やSNSなどでやり取りされている場合が多い。
したがって、Ubuntu以外のディストリビューションを使用する場合は、RedditやStack Overflow、各ディストリビューションごとの掲示板・Wikiなどを検索する必要が生じる。情報量はUbuntuほど豊富ではないかもしれないが、ある程度の情報は手に入るはずである。
情報収集と取捨選択も大変
個人的なブログや掲示板の情報は、容易に手に入るかもしれないが、正確性に欠け、古い情報であることが多い。
Linuxというオープンソースの世界では、情報の更新速度が非常に速いため、5年前の情報が現在では全く通用しないことはしばしばである。コマンドもバージョンによって異なったり、非推奨になっていることがあるだろう。
特にArch LinuxやGentooといったローリングリリースのディストリビューションでは、その傾向が強い。
したがって、できるだけ公式のWikiやドキュメントを参照することを推奨する。あるいはRedditのような質問コミュニティでも、より新しい情報が集まっていることが期待できる。
ただし、どの情報源にも誤情報や古い情報が含まれる可能性があるので、情報の真偽検証能力が要求される。複数のソースで検証したり試してみることが重要であると考えられる。
日本語に対応しているか
情報不足に悩まされたくない場合は、有名で日本語に対応しているディストリビューションを使うことをおすすめする。ユーザーが多いほど情報が多く、信憑性も高まる。
MX Linuxのような世界で人気のディストリビューションであっても、日本語に対応していなければ、日本でのユーザーは少なく、日本語の情報は得られない。したがって、日本語に対応しているか否かは重要である。
Linuxを利用する上で、日本語のサポートは非常に重要なポイントであると考えられる。日本語のドキュメントや掲示板での情報検索が可能かどうかで、トラブルシューティングのしやすさが大きく変わってくる。
UbuntuやMintといったメジャーなディストリビューションは日本語に対応しているが、Distrowatch上位に食い込むMX Linuxは大人気であるものの、日本語化されていない。
こうした日本語に対応した人気ディストリを選ぶことで、情報量やユーザーコミュニティのサポート面での不安が大幅に減るだろう。
逆に、海外のフォーラムを片言の英語で懸命に検索するよりも、はるかに学習しやすい環境を手に入れることができる。
したがって、Linux初心者には、日本語対応した人気ディストリの使用をおすすめしたい。
日本語の入力が困難
表示が日本語化できても、日本語の入力ができないか、設定が難しいことがある。
日本語入力まで問題なくできるものになると、選択できるLinuxは大幅に限定される。
Linuxで日本語入力をする際のハードルは依然として高い。
UbuntuやMintでは日本語入力設定は、かなり容易になってはいる。Ubuntu系統以外ではManjaro Linuxくらいである。
ManjaroはArch Linuxをベースにしており、初心者向けに設定をカジュアルにしている。2020年6月以降、Manjaroの日本語入力が公式にサポートされ .xprofile の追記が不要となり、日本語入力のセットアップもスムーズに行えるようになっている。
Linuxを学習するにあたって
ディストリビューションを解説する書籍と、コマンドの解説をする書籍の2種類がある。Linuxの書籍は少ない。
はい、Linuxを学習するにあたって、まずはディストリビューションの概要を理解し、実際にインストールして使用しながらコマンドを覚えていく、というのが良いアプローチであると考えられる。
しかし、書籍で理解したことをそのまま現実のLinuxに当てはめるのは難しいため、トライ&エラーしながら自分で調べて実践していく姿勢が重要である。
本やサイトを参考にしつつも、ネットで検索したり、実際に手を動かして試行錯誤することで、理解が深まっていくと考えられる。
一朝一夕には習得できないため、失敗を恐れず挫折しないこと。小さな成功体験を重ねながらコマンドライン操作に慣れていけば、自然とスキルが身につくと考えられる。
ただし、ディストリビューションの選択次第で初心者の学習の敷居が大きく変わるため、UbuntuやLinux Mintといったメジャーなディストリビューションからのスタートをおすすめだ。