人間工学に基づいたエルゴノミクスキーボードは、手の自然な形にフィットし疲れにくい使い心地が特徴。
そんなエルゴノミック設計の魅力とはどこにあるのだろうか。
人間工学は、人の身体的特徴や動きを研究し、道具をより扱いやすく操作しやすいものに進化させる分野だ。
キーボードやマウス、ディスプレイなど、人と接するあらゆる機器のデザインに取り入れられている。
エルゴノミクスキーボードの大きな特徴は、手の形に合わせた曲面型の形状と、手の動きを最小限に抑えたキーレイアウトにある。
エルゴノミクスキーボードのメリット
パソコン作業は人間にとって疲労や負担を感じやすいものだ。従来のキーボードでは私たちの想像以上に手首に負荷がかかっているのが実情で、長時間の使用で腱鞘炎など、手指の疲労や違和感を訴える人は多い。
エルゴノミクスキーボードは、手の自然な形状や動きに合わせた独特の形状とキーレイアウトを採用することで、疲労や違和感の原因となる不自然な姿勢を改善している。手首のひねりや手先の過度な上げ下げを防ぎ、手指への負担を大幅に軽減する効果がある。
エルゴノミクスキーボードは人間工学に基づいたデザインが採用されており、手のひらを下向きに自然な角度で置ける形状が特徴だ。通常のキーボードと比べて傾斜がついていることで、手首のねじれや過度な前傾姿勢を防ぐ効果がある。
作業効率UP
エルゴノミクスキーボードは、無駄な動きの少ないタイピングができるため、同じ時間で多くの作業をこなせ効率が上がる。手首や腕への負担が少ないので、長時間の作業も疲れにくくなる。
エルゴノミクスキーボードの傾斜角度の推奨値は5~15度。この設定が、手首への負荷を最小限に抑えられる最適傾斜角度という研究結果が出ている。この範囲なら手のひらとキーボードがほぼ平行になり、手首の中間位を保ちやすくなる。
傾斜角度には個人差もあるので、自分に合った好ましい角度を探すことが大切。傾斜角度を調整できるキーボードがおすすめだ。
このようにエルゴノミクスを意識したキーボードを使うことで、腱鞘炎などの障害を予防し健康的にパソコン作業を進められるだろう。
長時間の作業
パソコン作業が長時間にわたる人にエルゴノミクスキーボードがおすすめだ。
従来のキーボードはそれだけ手首や腕へ負担がかかる時間も長く、疲れをためやすい。エルゴノミクスキーボードは指や手首にかかる負担が少ない。
長時間のパソコン作業が必須という人はキーボードを慎重に選定しよう。
腱鞘炎の原因とは
腱鞘炎とは、手首や肘の腱の周りの鞘(筋腱を覆う膜)が炎症を起こす症状のこと。
主な原因として、以下のようなものが考えられる。
- 同じ動作の長時間の繰り返しによる過剰な負荷
- キーボードやマウスを長時間使用することで手首にかかる負担
- スポーツなどで手首や肘にストレスがかかる動きをする
- 体調不良や冷えなどで手首の血流が悪くなること
腱鞘に過度の機械的ストレスが加わることで炎症が起きやすくなる。打鍵やマウス操作といった同じ動作の繰り返しがリスクを高める要因と考えられている。
エルゴノミクスキーボードを使うことで、腱鞘炎などの過労性障害を未然に防げる可能性が高まる。通常の直線型のキーボードを長時間使い続けると、手首や腕に負担が集中し、腱鞘炎を発症しやすくなる。
エルゴノミクスキーボードなら手の自然な形状や動きに沿ったデザインのため、手首のねじれなどが少なくなり腱鞘炎のリスクを下げられる。
腕や手首への負担を感じている方
手首や腕にすでに違和感や痛みを感じている方は要注意。これは不自然な姿勢での長時間タイピングが原因と考えられ、しびれや痛みは疲労が蓄積した結果、腱鞘炎を起こしている兆候かもしれない。
異常な姿勢でのタイピングは、手のしびれや痛みを引き起こし、作業不能になりかねない。同じ環境で作業していれば、原因はそのまま存在し続け、状況は何も変わず負担がかかり続ける。
エルゴノミクスキーボードは、手首のひねりや過度な屈伸を防ぐことができる人間工学に基づいた形状ですが、過剰なタイピングはよくありません。適度な休憩を入れながら作業することが大切だ。
疲労軽減
パソコン作業は想像以上に疲れることが知られており、1時間に1回の休憩が必要とのデータもある。指先だけの微小な動きのほうがかえって神経に疲労を蓄積しやすい。
こうした疲れは作業効率の低下を招く。エルゴノミクスキーボードを使用することで、手首への負担が軽減されるため疲労が緩和され。適切な姿勢を保持することに加えて、タッチタイピングの習得も大切だ。
定期的な短時間の休憩とあわせて取り入れることで、疲労が軽減され作業効率の向上が期待できる。手と頭の双方の疲れをリフレッシュできる休憩が理想的だ。
性能重視の上位モデル
手指の疲労や腱鞘炎を防ぐには、性能重視の上位モデルのエルゴノミクスキーボードがおすすめだ。一見おしゃれで安価なモデルに魅せられがちだが、性能が伴わないものに価値などない。
高機能なエルゴノミクスキーボードは値段も高価だが、作業効率と疲労・障害リスクの低減を考えるとコストパフォーマンスは高い。負担の少ない快適なタイピングこそが目的なら、性能優先で高級キーボードを選ぶ価値がある。
値段やデザインにとらわれず、手指の健康と作業効率を高められるかどうかが大切なポイントである。
使用目的に合わせた選び方
エルゴノミクスキーボードには、入力速度重視のカスタムボタン搭載型や、疲労防止に特化した形状のもの、持ち運びやすさを優先したコンパクトサイズのものなど、特長や用途はさまざまだ。
自分がそのキーボードを主にどのような作業に使用するか、使用目的を明確化することが大切。目的に合った機能を搭載したモデルを選ぶことで、腱鞘炎予防や作業効率アップを最大限に発揮できる。
テンキーや文字配列も確認し、日本語入力が中心ならJIS配列、英語なら英語配列を選ぶなど、細かい部分まで使用シーンに合わせていこう。
ワイヤレスか有線か
最近はケーブル不要のワイヤレスキーボードも多数登場している。たしかにケーブルがない分、使い勝手が良い面もある。
しかし、その分、高価なうえに選択肢も限られ。無線に固執しすぎて、逆に使いにくいキーボードを選んでしまうのでは本末転倒。ほとんどのPCにUSBポートがあるので、有線でもさして不便はない。
エルゴノミクス設計を優先し、性能や機能面を確認した上で、あればワイヤレスを選択する、という順番が無難。無理にこだわらず本体の性能を重視していこう。
正しい姿勢を意識しよう
エルゴノミクスキーボードを使用しても、姿勢が正しくなければ手指の負担低減を期待することは難しい。むしろ姿勢の悪さが長時間の使用で疲労や痛みを招く結果となり、体調不良や視力低下にも悩まされやすくなる。
姿勢の悪さを直さなければ、エルゴノミクスキーボード使っても、疲労軽減は期待できないでしょう。
正しい姿勢というのは、
- 椅子に深く座り、背筋を真っ直ぐ伸ばす
- 画面の高さは目線より下げ、適切な距離をとる
- 腕や脇を気持ち良く開き、力みを抜く
といったポイントを意識するといい。
エルゴノミクスキーボードは脇を広く取る必要があり、狭い姿勢では上手く操作できない。自然な姿勢で気持ちよく腕を動かせることがポイントだと理解しましょう。
タッチタイピングでストレスなく速度アップ
エルゴノミクスキーボードを最大限に生かすには、正しいタッチタイピングが必要不可欠。自己流のタイピングだと、ストレスが指や手首に蓄積しがちで、むしろ疲れやすくなってしまう。
タッチタイピングでは、
- 両手の人差し指がJキーとFキーに置かれるホームポジションを基本とする
- 指を通常より浮かせ、軽く叩くタッチの動きをする
ことで、スムーズなタイピングが実現し。
自己流の入力を改めタッチタイピングを習得することで、スピーディーで精度の高い、疲れにくいタイピングが身につく。