近年、ソフトウェアのダウンロード販売や大容量メディアの普及に伴い、光学ドライブの必要性は低下している。過去にはパッケージソフトのインストールやメディアの読み書きに光学ドライブが不可欠だったが、今では必須装備からオプション装備へと位置づけが変化した。
メディアの読み書き用途であれば、安価なDVDスーパーマルチドライブを十分なことが多い。BDドライブを選ぶ理由が無ければ、コストパフォーマンスの高いDVDドライブがおすすめだ。
一方で、BDシステムを採用しているゲーム機との連携を考えているのなら、BDドライブの選択は検討に値する。近年は4Kを超える大容量メディアやUHD BDの環境整備も進みつつあることから、長期投資としてBDドライブに注目したい。
光学ドライブ自体は安価な部品なので、自作PCの予算に大きな影響は無い。用途を考えながら、DVDあるいはBDドライブを選択していこう。
CDドライブ?DVDドライブ??
自作パソコンでの光学ドライブ選びにおいて、CDドライブよりもDVDドライブを選択することが合理的である。
CDドライブはDVDドライブと比較して大きなコストメリットがない上、音楽CDの作成といった限定的な用途しかカバーできない。一方、DVDライタードライブであればCD-Rの書き込みも可能であり、用途の幅も広い。
現在、主要なパーツショップでは、CDドライブの取り扱い自体が少なく、DVDスーパーマルチドライブが主流である。価格差もわずかであることから、ディスク書き込み用途を考えた場合、DVDドライブを選択するのが無難である。
光学ドライブそのものの必要性も低下している現状ではあるが、最低限のメディア書き込み機能を確保したいならDVDドライブがおすすめだ。コストと機能のバランスで見た範囲内での選択といえるだろう。
ケースのスタイル
自作パソコンの光学ドライブ選びにあたり、デザインの統一性から黒色のパネルを持つDVDドライブが主流である。これに対して、カラフルなフロントパネルを特徴とするPCケースで構築する際には注意が必要である。
カラフルなケースパネルの背後に光学ドライブを隠すレイアウトを採用している場合、外観の統一性は保たれるため大きな問題にはならない。しかし、パネルを取り外して光学ドライブを露出させるデザインの場合、黒色ドライブとの色の不一致が生じる。
この場合、同色のフェイスプレート取り付けが可能なケースを選択することで解決できる。ただし対応するケースは限定的であり、事前の選定が必要不可欠だ。外観のデザイン統一を重視して選択したいところだ。
ブルーレイドライブ
自作パソコンでの光学ドライブ選びのオプションとして、DVDドライブに代わる、あるいはDVDドライブに追加して搭載する形でのブルーレイ(BD)ドライブもある。
BDドライブはDVDドライブと比較すると、現時点でもまだ高額な部品である。特に、BD-R/REドライブのライター機能を持つモデルは、BD規格自体の歴史から価格の高止まりが顕著である。
具体的にはDVDドライブが約4000円程度で購入可能な一方、BDドライブは少なくとも10000円以上の予算が必要である。この価格差は容量と転送速度の違い以上に大きく開いているのが実情である。
用途次第ではBDドライブも魅力的な選択肢ではあるが、自作パソコンのコストパフォーマンスを重視したいなら、現時点ではDVDドライブが基本構成になる。
外部ドライブ
自作パソコンへの光学ドライブ搭載における選択肢として、内蔵型に代わる外付けドライブの利用もある。
外付けドライブは内蔵型と比べて多少コストがかさむが、小型で持ち運びしやすいデザインで、PCケースへの搭載スペースがない場合や、複数のデバイスで共有する用途にも適している。
TVやモニターとの直接接続が可能な製品もあり、自作PCとは別にメディアプレーヤーとしても利用できる。内蔵ドライブの必要性が低い現状であれば、外付けドライブの利用も一案である。
光学ドライブそのものを必要としないユースケースも増えているが、ある程度の互換性や拡張性を確保したい場合、外付けドライブの選択は有力な選択肢といえる。
光学ドライブのないPC
自作パソコン構築において、光学ドライブを搭載しない選択もある。
光学ドライブなしのPCを選択する場合、後から追加できる可能性があっても、いくつかの点に注意が必要である。特に、ソフトウェアの入手手段としてネットワーク経由のダウンロードに依存することになるため、インターネット回線の速度が十分高速であることが望ましい。
低速のネットワーク環境では、大容量コンテンツのダウンロード・インストールに時間がかかるほか、トラブル発生時の対応にも支障をきたす可能性がある。可能であれば光ファイバーによる高速ブロードバンド環境を用意するか、将来の光学ドライブ追加を視野に構成を検討したい。
5インチベイ省略ケース
自作PCの構成選択肢として、光学ドライブ自体を外付けとし、PCケースから5インチベイを省略する方法もある。
このようなケースは全体的なサイズが小型化されており、十分な内部ストレージを用意できれば、外付けの光学ドライブで対応可能である。机上スペースに制限のあるユースケースでは、こうしたコンパクト筐体の採用も選択肢の一つとなるだろう。
搭載スペースが限られている小型PCやmini-ITX規格のマザーボードを利用する際など、光学ドライブレスでの運用が現実的なシーンも多い。計画段階で構成と用途を考慮し、外付けドライブの利用も念頭に置くことが望ましい。
光学ドライブなし構成のストレージ
光学ドライブなし構成の自作PCでは、ソフトウェアの入手・保存方法の違いから、ストレージに関しても注意が必要である。
パッケージソフトは、インストール後はディスクを外せばハードディスクに保存する必要がないため、容量の節約につながる。しかしダウンロード専用ソフトの場合、インストールデータの保存領域が別途必要となるため、必要容量が増加することになる。
また、ソフトウェアの移動時などの対応として、16GB以上のUSBメモリを用意しておくといい。ネットワーク経由での再ダウンロードを避け、スムーズな移動や復元を可能にするためである。光学ドライブなしPCの場合、データ保存領域への注意が欠かせない。
リテール品とバルク品
自作PC用光学ドライブの選定にあたっては、リテール品とバルク品の2つの選択肢がある。
機能面では両者に大きな差異はないものの、リテール品にはライティングソフトやメディア再生ソフトなどが同梱されるのが通常である。光学ドライブの性能はソフトウェアの影響も大きいことから、付属ソフトの有無はコストパフォーマンスに関わる点である。
同じドライブでも、単体購入のバルク品より、ソフト付きのリテール品を選ぶほうが合理的な場合が多いだろう。しかし搭載ソフトはメーカー毎に異なる点にも注意が必要で、個々の違いを確認した上で選定することが望ましい。
リテール品とバルク品
自作PC用光学ドライブの選定にあたっては、リテール品とバルク品の2つの選択肢がある。
機能面では両者に大きな差異はないものの、リテール品にはライティングソフトやメディア再生ソフトなどが同梱されるのが通常である。光学ドライブの性能はソフトウェアの影響も大きいことから、付属ソフトの有無はコストパフォーマンスに関わる点である。
同じドライブでも、単体購入のバルク品より、ソフト付きのリテール品を選ぶほうが合理的な場合が多いだろう。しかし搭載ソフトはメーカー毎に異なる点にも注意が必要で、個々の違いを確認した上で選定することが望ましい。
まとめ
自作PCへの光学ドライブ搭載については、必須事項ではなくなりつつあるものの、用途次第では有用な選択肢である。
頻繁にディスクメディアを利用するユースケースであれば、内蔵型光学ドライブの搭載は利便性の点でメリットが大きい。同じドライブでも、付属ソフトがあるリテール品のほうがコストパフォーマンスは高いといえる。
一方で、全体的な必要性は低下傾向にあり、搭載しない選択肢や外付けでの対応も現実的な選択肢として増えつつある。用途と構成を考慮したうえで、個々に適した形での対応を検討したい。